女性活躍、企業は意識変革を 日本総研湯元健治副理事長
Japan In-depth / 2016年3月9日 11時0分
「細川珠生のモーニングトーク」2016年3月5日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(Aya)
日本総研の湯元健治副理事長を迎え、参議院で審議真っただ中の平成28年度予算案と、それに関連する日本の経済について聞いた。
湯元氏は、「今回の予算の目玉は、安倍政権が打ち出した一億総活躍社会の実現。」と説明した。安倍政権は、希望出生率1.8%、介護離職ゼロという二つの数値目標を掲げ、今回の予算案にもそのための具体的な政策が盛り込まれている。
補正予算も含めて合計すると、保育、子育て、介護関係で、2兆円の予算が投じられている。アベノミクスは大企業を支援し、円安株高になることで、家計へその影響が回ることを想定していたが、実際は想定通りにはなっていない。「新アベノミクスがでてきた最大の原因は、直接家計を支援する政策をとっていかなければならなくなったこと。少子高齢化、人口減少という中長期的なトレンドを見て、足もとの経済をよくするだけでなく、中長期的で構造的な対策をとっていかなければならない。」と湯元氏は解説し、安倍政権がそこに踏み込んだことを評価した。一方で、「2兆円が満足のいく金額かと言うと全然足りない。」と述べ、今後も毎年、数兆円単位で増やしていく必要があるとの考えを示した。
また、湯元氏は、「2兆円の大半は保育や介護の受け皿、つまり施設等のハード面に投入されている。ハードが不足しているのは間違いないが、合計100万人分を充実させると言ってもそれでも足りない。さらにハードだけやっていればいいかというと、保育士不足・介護士不足が深刻。人の部分も何とかしなくてはいけない。」と述べ、ハード面の拡充だけでなく、人材の育成や確保などソフト面にも予算をつけていくことが必要だと指摘した。細川氏も、毎年やり続けていくことの重要性を強調した。
日本経済の成長の鈍さに関し、細川氏が「研究・開発にもっと意識を進めなくてはいけない。」と指摘すると、湯元氏は、安倍政権が成長戦略にも力を入れてきたことを説明した。予算でも必要な項目を追加しており、成長戦略に関する規制緩和等の法律は65本以上通してきたという。農業分野や電力小売りに異業種から参入している例を挙げ、「一部活性化している分野が出てきていることは確かだ。しかし家計の隅々までは行きわたっていないという意味では、スピードが遅いということだと思う。」と述べ、規制改革を一層進めることが重要だと強調した。
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