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トヨタとスズキ、泰山鳴動して鼠一匹すら出ず その1

Japan In-depth / 2016年3月11日 22時3分

これでどうなるかというと、従来考えられていた、提携の為に使える自己株が全て無くなるということになります。つまり、他社に買ってもらう自己株が無くなる、他社に出資してもらうその金庫株自体が消滅する訳です。結果、トヨタがスズキの自己株を例えば10%買って、スズキに出資することで、トヨタとスズキが提携する、という日経新聞の報道は不可能になります。世の中に絶対など無いので、今後トヨタとスズキの出資を伴った提携が無いとは言いませんが、少なくとも今回の件では、泰山は鳴動しましたが、結局は鼠1匹どころか、何も出ませんでした。

スズキは3月9日に新型“バレーノ”の発表会を開催、この車、インドのマルチスズキ製で、インドから日本へ輸出する初の自動車となります。月販500台、年間6,000台の販売目標はそれほど大きな規模ではありませんが、軽自動車販売の不振が続き、かつ登録車の販売を拡充したいスズキとしては、新たな一歩となります。排気量は1200cc、自然吸気エンジンタイプで価格は141万円から、排気量1,000ccの直噴ターボ付きは161万円からとインド製にしてはそれなりの価格。インド製とは言え、自動ブレーキやアクティブクルーズコントロールも標準装備、品質はスズキのチーフエンジニアが徹底的に作りこみ、鈴木会長曰く日本の湖西工場並み(スズキの軽自動車主力工場)、マルチでの生産が始まって33年、ようやく品質で日本基準に到達した、とのことです。鈴木会長もご子息の鈴木社長も、また駐日インド大使までお呼びしての一大イベントでした。

その発表会の席上で、メデイア記者に囲まれた鈴木会長、鈴木社長、共にトヨタとの提携の可能性を完全に否定。複数のメディアで報道された、“トヨタの豊田章一郎名誉会長と鈴木会長が極秘で会談した”との話も、“そんな事実はない”、“会ってもいない”と、にべもない態度であったようです。筆者はことの真相は存じ上げませんし、まだまだ裏で動いている向きもあるかもしれない。ただ少なくとも、トヨタとスズキの間で、“出資を伴った提携”が実を結ぶ可能性は、当面限りなく低くなった模様です。

(その2に続く。2016年3月12日19時に掲載します。全2回)

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