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金融自由化を迫り中国軍拡を止めよ!

Japan In-depth / 2016年3月12日 11時0分

人民元はことし10月から国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨として加わり、円を押しのけてドル、ユーロに次ぐ世界第3位の国際主要通貨の座に着くことが昨年11月のIMF理事会で決まった。IMFへの資金の出し手としては最も気前のよい日本は米国を説き伏せて、阻止できたはずだったのだが、財務官僚は「SDR入りに実質的な意味はない」とうそぶいて、北京が繰り出す根回しのなすがままにまかせた。

人民元が国際通貨になれば、元決済に応じる国が増えていく。すると、北京はドルの流入を気にせずに元資金を存分に発行し、そのカネで軍事技術を導入できる。ドル資金調達難の中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)は元資金を相手国に融資し、軍事に転用できる高速道路や港湾をアジアで建設できるようになる。

軍事パワーの源泉が元であり、国際通貨になれば威力は何倍にも拡大しよう。アジア安保上の脅威は単に南シナ海での軍事基地建設にとどまらず、全域が中国の勢力圏になるという構図が見えてくる。

グラフを再度見よう。15年にはドル資金の発行減とともに元資金の供給量がガタ減りしている。このままだと、従来のような軍拡は資金面で行き詰まりかねない。習近平政権はこの制約を見て取ったからこそ、執拗に元の国際通貨化を求め、元のSDR通貨組み込みをIMFに働き掛けたわけである。ドルの制約から元を解き放てる道が開けるだろう。SDR通貨入りは中国の軍拡を後押しする。

北京はSDR化の条件として、金融自由化を約束しているが、逆に市場統制を強化している。国際公約違反も甚だしい。元にSDR通貨の資格がないことは明らかだが、親中派のラガルドIMF専務理事が白紙に戻すとは考えにくい。

とすれば、日本は逆手にとればよい。北京に約束通りの為替を含む金融市場自由化を迫ることだ。自由化すれば、中国からの資本逃避が加速し、元は暴落不安が高まる。価値が不安定な元を受け取る国はなくなり、国際通貨化は画餅に終わるだろう。人民銀行は元を乱発できず、軍拡にブレーキがかかる。

問題は財務官僚だ。OBの黒田東彦日銀総裁をはじめ、親中派が北京による資本規制を率先して唱え、現行体制温存をもくろむ習政権を喜ばせている。安倍晋三政権は通貨戦略を財務官僚にまかせるべきではない。

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