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米大統領選の結果は経済で決まる その2 鍵を握るFRB利上げ

Japan In-depth / 2016年3月16日 2時1分

「もし選挙期間中に米金利がもっと劇的に下げられていたならば、経済回復がより鮮明になり、私は再選されていただろう。私がグリーンスパンを再任したのだが、彼は私を失望させた」。

今回の局面で、米経済の回復が本物でない状況下でFRBが2回目の利上げに踏み切れば、市場の恐怖心理と相まって、米経済が再び失速する可能性がある。そうなれば、政権党候補であるヒラリー氏の当選が危うくなってくる。

FRBの利上げが、11月の本選の前である6月や9月に行われることは、民主党にとってリスク要因だ。長期停滞論の主唱者であり、ヒラリー候補の事実上の経済顧問であるローレンス・サマーズ元米財務長官は、「もしFRBが今年中に複数回の利上げに踏み切れば、景気後退の可能性は50%になる」と述べ、米利上げが米経済の収縮をもたらす可能性を警告している。

一方、共和党のトランプ候補は12月の利上げ前に、「FRBは低金利でオバマ政権を助けてきた。イエレン議長が利上げに踏み切らないのは、彼女が(リベラル寄りの)政治的な人物だからで、オバマ大統領の要請があるから金利を上げないのだ」と、強く非難している。民主党寄りとみられないため、また、中立性をアピールするには、FRBは利上げをするしか選択肢がない。

民主党候補の当選を阻む共和党の思惑が、どれだけ本選前の米利上げのタイミングと回数に影響力を持つかが、これからの見どころとなろう。

(米大統領選の結果は経済で決まる その1 オバマ失政がもたらしたトランプ旋風 の続き。全2回)

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