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海外に出せない『ハレンチ学園』 漫画・アニメ立国論 その2

Japan In-depth / 2016年3月17日 18時0分

そもそも破廉恥というのは、仏教でも用いられる言葉で、人道に外れた所行のことである。


だとすれば、戦争もそうだし、教師や学校、それに教育委員会といった権威を否定する漫画を、子供たちから取り上げようとか、版元を糾弾する行為の方が、よほどその言葉にふさわしい、とは言えないか。


逆に考えれば、この『ハレンチ学園』を問題視した人たちは、そこに描かれているのが、実は権威の否定というテーマであったことを見て取ったのかも知れない。


げんに警察関係者は、少年の性犯罪を助長するような要素は見当たらない、としていたのだから。


漫画の神髄は風刺にあり、とは昔からよく言われる。


政治や世相を風刺する絵は、近代ジャーナリズムの草創期から新聞に掲載されていて、これが漫画の源流であることは疑う余地がない。


いや、それ以前に原始時代から、人間は様々な思いを絵に託して、書き残してきたではないか。


前回述べたように、日本のManga、Animeが世界で受け容れられてきたのは、絵で表現されたものの面白さを楽しむのは、人種や民族を超えた行為だからだと、私は考える。


ただ、単なる絵ではなく、テーマやストーリーといったものが、そこにはあるので、やはり外国人が容易に理解し受け容れるものと、受け容れがたいものは厳然と存在する。


さらに言えば、ヨーロッパでは未だに漫画のようなものは「子供向け」と見なされている。


他の観点からも『ハレンチ学園』は、今のヨーロッパでは、児童ポルノに準ずるものと見なされるかも知れないが、では、どういった漫画が海外で受け容れられてきたのか。


次回、ヨーロッパにおける私の見聞と共に述べてみたい。


(この記事は 家電で負けてもマンガで勝つ! 漫画・アニメ立国論 その1 の続きです)

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