衆参W選へと走る安倍政権
Japan In-depth / 2016年3月24日 19時0分
「細川珠生のモーニングトーク」2016年3月19日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(Aya)
政治ジャーナリストで東海大学教授の末延吉正氏を迎え、衆参ダブル選挙も噂されている永田町の選挙動向について聞いた。
末延氏は、冒頭、「先月、安倍総理と公邸で色々な話をした。夏、衆参ダブル選挙に向けてひたすら走っているという印象。」と発言。官邸は、7月10日の衆参ダブル選挙を想定し、それに向けて圧倒的支持を得ようとして動いているという。
前回の衆院選から一年半という短いスパンでの選挙となるが、安倍首相の大叔父にあたる佐藤栄作元首相は、「内閣は選挙をやればやるほど強くなる。内閣改造をやればやるほど弱くなる。」と話したという。「安倍首相はそれをよく研究している。」と末延氏は語った。
消費税再増税等、大きなテーマを決めるときは国民に真を問う選挙を行う。景気が回復していないため、再増税の再延期を国民に納得してもらうのが今回の選挙の意図だと考えられる。安倍政権は、「世論調査と株価の動きを見ながら、夏へ向けて走っていく。」というのが、末延氏の見方だ。「参議院単一でいけるとなれば、それも考えられるが、遅くとも年末には解散選挙をやるだろう。」とも述べた。アベノミクスの実現に向け、国民の後押しが欲しい安倍政権の意向が見て取れる。
財務省は消費税増税を行っても経済の指標は大丈夫だという見解を出したが、実際は増税した途端に景気が低迷した。「国民の希望は経済を何とか立て直してほしい。安倍さんはそれをわかっている。」と末延氏は述べ、年始からの株価の動き、原油安を考えると、アベノミクスを成功させるためには6割ある国内の内需を動かす必要があり、短期間に2度の増税は難しいとの見解を示した。
今度の選挙には間に合わないが、一票の格差問題是正についても動きが見える。末延氏は、「何もしないで解散しては信頼がなくなる。有識者の意見を受けて、自分たちはやっているとアピールしている。」と述べ、解散を考えているからこそ、安倍政権は選挙制度についても準備している、と解説した。
「同日選になった場合、改憲はテーマになるのか。」と細川氏が質問すると、末延氏は、「安倍さんは理想を追う人だけど、一方で超リアリスティック。」と述べ、衆参で3分の2を取って発議しても、国民投票で過半数を取れないという懸念を安倍首相が頭に置いていることを示唆した。「自分の時に全て憲法改正をやるのではなくて、少なくとも独立国家として新しい憲法を自分たちで考え始めようというきっかけぐらい作りたい。」との見方を示し、選挙の一番のテーマはやはり経済であるとの考えを示した。
最後に、末延氏は「政治も頑張ってほしいが、僕たち国民も自分の足で立つというガッツのあるところを見せなければいけない。何でも政府が悪いでは駄目。日本のメディアにはひんまがっているメディアもある。正確に伝えなくてはいけない。」と話し、番組を締めくくった。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2016年3月19日放送 の要約です)
「細川珠生のモーニングトーク」
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