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陸自の兵器開発は半世紀遅れ その2

Japan In-depth / 2016年4月16日 23時0分

陸幕装備部はまったく諸外国の火器の動静に無頓着だったのだろう。装備と運用思想が70年代ぐらいで止まっているとしか言いようがない。思考が朝鮮戦争、よくてベトナム戦争で停止している。

時代遅れの06式てき弾を導入した理由は推測するしかないが、陸自内部の何らかの政治的な理由、40ミリグレネード・ランチャーを導入すると外国製品と競合するので、国産にするためにあえてライフル・グレネードにした、グレネード・ランチャーを調達するのと比べて「弾」だけだと見かけ上のコストが安く抑えられる、などの理由が考えられるが、まともな軍隊ではこのようなどんな理由をつけようとも、このような旧式兵器の採用は周囲から批判されて実現しなかっただろう。対して人民解放軍ですら携行用グレネード・ランチャーを採用している。因みに陸自は無人機や精密誘導砲弾の実用化でも人民解放軍に大きく遅れをとっている。

陸自は実際に戦争をする気がないのでは、とすら思える。だから外敵の来ない演習場で、それらしく使えるであろう06式てき弾を導入したのだろう。だが、このようなガラパゴス化した装備を有した火力の低い部隊が外国の軍隊と戦えば、大きな被害を被るのは明らかだ。

こうした装備の採用は隊員の命を危険に晒すだけではなく、納税者に対しても極めて不誠実である。仮想敵国を有利にしようとする工作であるとすら思える。陸自幕僚監部は当事者能力と当事者意識が決定的に欠けている。こんな組織が海外で「駆けつけ警護」などの戦闘行為をまともに行えるかどうか極めて疑問である。

このような装備を平気で調達する「軍隊」の他の装備、例えば10式戦車や機動戦闘車などの装備の実用性も疑われて然るべきだし、また島嶼防衛のリアリティも同様に疑われて然るべし、である。

(陸自の兵器開発は半世紀遅れ その1の続き。全2回)

*トップ写真:南アリッペルエフェクト社の6連リボルバー式グレネードランチャー©清谷信一

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