熊本大地震が政治に与えた影響
Japan In-depth / 2016年5月1日 18時0分
「細川珠生のモーニングトーク」2016年5月1日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(Aya)
Japan In-depthの安倍宏行編集長を迎え、熊本地震とその政治への影響について議論した。
国会は終盤に差し掛かり、残すところ1か月もない。地震直前にはTPPの審議が行われていたが、震災対応のため審議時間が足りず、今国会での成立は見込めない。「安倍政権としては、どうしても通したかったとは思うが、震災対応が今は一番の課題。」と安倍編集長は述べた。
他にも、政治への地震の影響がある。一つは消費税増税。「かねてから(安倍)総理は、国会答弁で、リーマンショック級の経済問題が起きたとき、或いは東日本大震災級の自然災害が起きたときは再増税しない場合もあると言っていたので、それを考えると熊本の震災が大きく影響するのではないのか。」と細川氏は述べた。安倍編集長も「景気が足踏みしている状況も考えると、再増税に進むような状況ではないかもしれない。」と同意し、再増税見送りの機運が高まっていることを示唆した。
熊本地震は、7月の選挙にも大きな影響を与えると考えられる。7月に行われる参院選に合わせ、衆議院を解散し、衆参同日選になるという説が濃厚だったが、それについて細川氏は、「熊本の地震でなくなったかなと思う。」と述べた。熊本は選挙できるような状況ではなく、7月は参議院単独選挙との見方が強まっている。
また、先日行われた北海道、京都の補選の結果で、同日選を行うか否か、安倍首相が最終的に判断すると言われていた。京都3区は自民党の不祥事で選挙になったため、結果は見えていたが、北海道は予想以上に厳しい結果となった。1万2,000票差で自民党が辛勝したものの、無党派層の7割が野党の統一候補に入れたと言われており、「(安倍政権は)野党共闘の手ごわさを感じたのではないか。」と細川氏は述べた。
一方で、「野党共闘はうまく統一候補を立てられたところが少なく、時間が経てば経つほどそれが整っていくので、早いうちに選挙を行った方がいいと思っているかもしれない。」とも話した。安倍編集長は、「熊本の復興が今の内閣の最優先課題であり、同日選より、復興に力を入れる、また、足踏みしている景気に梃入れをするというのが、今の内閣の最優先課題だ。」と述べた。
アベノミクスが始まって3年過ぎた。円安で一部大手企業の業績が良くなり、株価上昇の影響はあったものの、国民が実感できるところまではまだ来ていない。「北海道の補選で自民党が厳しかったのはそういうところもあったのではないか。」と細川氏は分析し、さらに「国民生活が良くなる政策をきちんと政権が出していかないと、国民の不安感がいつまで経っても拭えない。」と述べた。
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