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「保育園落ちた」諸外国事情 日本の待機児童問題その6

Japan In-depth / 2016年5月1日 23時0分

これに対してわが国では、すでに述べたように、充実した保育環境はあるのだが、その環境は、保育士の過剰な労働に支えられている部分が大きく、結果的に保育士の減少を招いている。「だからこそ」待機児童がなかなか減らないのだ。

とどのつまり、保育の質を落とすことなく,必要な数の保育士を確保して行くにはどうすればよいのか、ということになるわけだが、本稿を読まれた読者には、あらためて多くを語るまでもないであろう。

保育を含めた公教育に対する財政支出の割合を、ヨーロッパ諸国並みに拡大したならば、待機児童問題は、一挙にとは言えないまでも、解決に向けて大きく前進し得る。

財源の問題についても、連載第2回で述べた。

1兆円の税収減を招きかねない軽減税率など、ただちに見直すべきだ。むしろ、消費税の増税分を少子化対策に投じる、と発表すれば、国民の理解も得られるのではないか。

そもそもこれは、断じて「バラマキ」ではない。

ごくごく単純に考えても、全国で4万5000人を超す待機児童をなくし、4万人のお母さんが働いて納税すれば、子供18人に対して1人の保育士=2500人分の人件費を捻出することなど、そう難しくない。

安倍内閣が掲げる「一億総括役社会」とは、本来このようなコンセプトではなかったか。これまた、多くを語るまでもない。言うこととやることが違う政治家は信用されない。いや、信用してはならない。

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