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三菱自「パジェロゲート事件」5つの違和感 その5

Japan In-depth / 2016年5月4日 7時0分

a)は、燃料代差額の支払い


燃費が5-10%悪いという。月当たりのガソリン代、平均で2万円とする。10%なら月2,000円を補てんすることとなる。年間なら24,000円。対象が4車種の軽自動車に限られているとしても、62.5万台なので150億円に相当する。あくまでも1年間分である。軽自動車は比較的乗り換え期間が長い。これから皆さん10年間乗るなら、1,500億円補てんするのか、仮に対象車種がこの4車種の軽自動車だけではなく、他の登録車なども含まれ、前述のように200万台に膨れた場合、年間480億円、10年なら4,800億円。


現代自動車が米国でやはり燃費を過大申告したことに対し、一人当たりクーポン券5万円程度を配布したことがある。1人1人の燃料代を別々に計算などとてもできないので、平均いくらで全員に配布する訳だが、仮に同じこと(5万円相当のクーポン配布)をすれば、対象が62万台なら約300億円、200万台なら1,000億円を超える影響が出ることとなる。


b)の税金の支払い


今回問題となった軽自動車、eKワゴン・デイズ共に、燃費が良いエコカーとして、自動車税や重量税が減額となる、エコカー減税の措置を受けている。仮に実際の燃費がカタログよりも10%悪いのであれば、エコカー減税の対象外となる可能性があり、この場合は減税分の支払い義務が生じる。


本来なら消費者が払う税金であるが、この不正の影響による結果であり、当然のこととして、三菱が払うこととなる。減税額は概ね、台当たり1万円から3万円程度である。台当たり平均2万円としても、62.5万台なら125億円、台数がこれ以上なら比例して増額となる。


c)の中古価格下落の補償


カーセンサーなどの中古車サイトによると、eKワゴンもデイズも、その中古車価格は既に値下がりをしている。この10日間で最大10万円程も下落した車もあると聞く。62.5万台全てに10万円補償すれば625億円である。対象台数が拡大すれば、比例して補償額も増える。100万台なら1,000億円。


また、中古車販売店で販売している中古の車はどうするのか。よほどの投げ売りをしない限りは販売できない在庫であろう。オークションに出すとしても、買う業者はいない。すると中古車価格は更に暴落するが、これは補償の対象になるのか。なるとすれば、膨大な金額となる。


(その6に続く。全7回。その1、その2、その3、その4も併せてお読みください。毎日7:00配信)

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