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韓国、加湿器殺菌剤事件の今 100人超死亡

Japan In-depth / 2016年5月4日 11時0分

被害者や遺族など110人余りが殺菌剤の製造会社を告発してから3年ぶりのことだ。しかし、主な被害者らの死亡から10年が経った今になって始めたためにまともな証拠が残っていないという点が問題視されているが、捜査関係者によると、この会社の元代表の身柄拘束もありうる、と報道されている。

このように検察が乗り出すと、被害者が一番多いオキシーは被害者たちに「申し訳ない」と頭を下げた。被害者と遺族のために100億ウォンを出したが、むしろ逆風を浴びている。余りにも遅すぎた謝罪のためだ。特に、加湿器殺菌剤のマーケットシェアが一番高かったオキシーは死亡・負傷の被害者も多いにもかかわらず、責任を取ろうとしない態度を見せて非難の対象となった。「黄砂・花粉・間接喫煙なども肺の損傷の原因になるかもしれない。加湿器殺菌剤は人々の死とは因果関係がない」という内容の報告書を検察に提出し、弁明していた。

また、殺菌剤の生殖毒性に関する研究を実施したソウル大学教授A氏に研究費のほかに、数千万ウォンの裏金を与えたことが明らかになった。そして多くの韓国人は、英国系企業であるオキシー製品の『不買運動』を開始した。

しかし全国的な不買運動が繰り広げられても、被害者と遺族の心にはしこりが残るはずだ。オキシーをはじめ他の製造販売会社(ロッテマート、ホームプラス、テスコ、イーマートなど)が、検察捜査の前に一言の謝罪もなく5年間この事件を放置したからだ。幹部らが検察に出頭するまで公式な謝罪の発表を引き延ばし、しぶしぶ開いた記者会見で頭を下げる企業の姿を市民団体は『謝罪のコスプレ』と呼び、問題視している。今後の刑事·民事裁判や賠償まで含め、この企業幹部らが心からの謝罪をするのかまだ疑問だ。生活用品に殺された人々の戦いはまだ終わらない。

(編集部注:レキット・ベンキーザーの幹部は5月2日、同社製の殺菌剤が原因で肺が損傷し死者を出した問題で、謝罪会見をソウル市内で開いた。同社が公に責任を認めるのは初めて。)

【参考】

◆会社別の被害状況(出処:ソウル中央地検)

オキシー・レキット・ベンキーザー     177名(内、死亡 70名)

ロッテマート                                                 41名(16名)

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