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高まるフル規格待望論 九州新幹線長崎ルート 

Japan In-depth / 2016年5月10日 7時0分

リレー方式では、乗り継ぎ駅となる武雄温泉駅のホームの拡幅工事や新幹線車両の基地整備などで計70億円が追加で生じる。長崎ルートのような整備新幹線は、国と地元自治体が2対1で費用を負担する。


半面、博多から武雄温泉まで従来と同じ特急を使うことから、佐賀県にとって新幹線効果は、ほとんどない。メリットがないのに、負担だけが増えるというわけだ。


国交省は両県との妥協点を探った。


開業後に並行在来線として、佐賀、長崎両県がJR九州から購入する予定の肥前山口―諫早の線路などを無償とすることで、追加負担と相殺することにした。


さらに、肥前山口―諫早間でのJR九州による特急運行を、これまでの取り決めでは開業から20年間維持することになっていたが、23年間に延長した。


国は佐賀県の要望をほぼ受け入れた。



山口氏は記者団に「満額回答ではないが、県民に説明責任を果たすところまでクリアできた」と語った。


■FGTは霧の中


今回の合意は、多くの問題を先送りした。


並行在来線の無償譲渡によるJR九州の収入減を、どうするかは今後の協議とした。


何より、開発のメドが立たないFGTの導入が不透明だ。文書は「(開業時の)平成34年度に先行車を導入する場合には活用する」との表現にとどめており、量産化の時期などは盛り込めなかった。


FGTの効果を疑問視する声は根強い。博多―長崎間は現行1時間48分▽リレー方式1時間26分▽FGT1時間20分だ。リレー方式とほとんど差がない。


JR西日本はFGTの山陽新幹線乗り入れに否定的だ。


一方、暫定開業に合わせて新たに投入する新幹線は、FGTの開発が進めば不要となりかねない。地元、特に長崎県ではFGTを見限り、全線フル規格待望論が強まる。


長崎県議でつくる九州新幹線長崎ルート建設促進議員連盟の八江(やえ)利春会長は「長崎から函館に通じる新幹線を将来への財産として残すべきだ。費用の問題ではない。熊本や鹿児島に負けないよう長崎までフル規格でつなぐのが本筋だ」と語った。


こうした要望について与党検討委の山本氏は記者団に「いろんな議論があるので改めて議論すべきだ。地元の要請も見極めたい」とフル規格議論を排除しない考えを示した。


トップ画像:Railstation.net


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