アドバイスは「誰から貰ったか」が大事
Japan In-depth / 2016年5月15日 7時0分
為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役)
昔スポーツの雑誌でこんな漫画を読んだことがあります。一枚のイラストに書かれているのはアスリートとその選手を取り巻く各専門家です。選手の調子が良くなく専門家にアドバイスを求めています。
メンタルトレーナーはこう言いました。”もっとポジティブに捉えよう。不調は心が原因だ”
ストレングストレーナーはこう言いました。”体幹が効いていない。体幹を鍛えよう”
技術コーチはこう言いました。”ハードリングにキレがない。技術練習を増やそう”
そしてコーチがこう言いました”気合が足りない。根性出せ”
笑い話のようですが、実際にこれと近いことがスポーツの現場では起きます。専門家はどうしても(もちろんそれでいいのですが)自分の領域の問題であると捉えたがります。私は現役時代心について考えることが多かったので、心理学に興味があります。こういう人間はどうしても選手の問題をみると心の問題に見えてしまいます。
どんなアドバイスをもらうかということよりも、実は誰からもらったアドバイスかということをよく考える必要があります。人は自分の経験から逃れられません。その人の経験によるバイアスを加味してアドバイスを噛み砕く必要があります。
アスリートの不祥事を私はセカンドキャリアに結びつけて語りたがります。本当のところは、どの業界にもいるやんちゃな若者が起こした問題にすぎないのかもしれません。何にでも意味づけをするのはコメンテーターの癖でもあります。
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