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ドラマをカタルシスで終わらせる危険性 ネオ階級社会と時代劇その6

Japan In-depth / 2016年6月6日 18時0分

もう一言付け加えるなら、よくも悪くも長い伝統を持つ英国の階級社会と違い、学歴エリート達が自分たちの特権的立場を独占するために築きつつある「ネオ階級社会」であるが故に、上層に入れなかった人たちの鬱積は、かなり強い。


閉塞感、という言葉をここ数年、よく耳にするようになったと感じる人は多いはずだ。努力してもどうにもならない、という感覚がそれである。この点、戦国時代というのは、生まれながらの身分は低くとも、腕っ節や才覚で一国一城の主になることも可能だった。また、幕末というのは、封建社会の閉塞感に耐えきれなくなった若者たちが、命懸けで社会改革に乗り出した時代として描かれている。


ドラマはもともと虚構の世界なのであるから、そこに現実逃避のような要素があったとしても、それ自体は責められるべきことではない、と私は思う。ただ、逃避からはなにも生まれないのであって、やはり現実に抗する力を、歴史上の人物をデフォルメした、ドラマの登場人物に託すのではなく、自分自身と次世代の日本人の問題として、きちんと考えていただきたいのである。

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