公選法改正案 問われる自治体のやる気
Japan In-depth / 2016年6月7日 12時0分
山田厚俊(ジャーナリスト)
次期参院選は、6月22日公示、7月10日、投開票と決まった。この参院選から選挙権年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられたことは、マスコミでも既に喧伝され、かなり浸透しているといっていいだろう。これは昨年6月、公職選挙法改正案が国会で可決されたためである。
しかし、今回から適用される改正公選法は、「投票権が18歳以上」になったというだけではない。駅やショッピングセンターなどの「共通投票所」で投票できるようになる、期日前投票については原則午前8時半から午後8時までの投票時間を、各自治体が最長で午前6時半から午後10時まで広げることができるーーなど、あまり知られていない項目も盛り込まれているのだ。
つまりこれは、有権者が投票しやすくなる、投票率を上げるようにするために改正されたもの。ところが、各自治体の裁量によるもので、変わるところもあれば、変わらないところもあるのだという。
「『18歳投票権』ばかりがクローズアップされていますが、本来は有権者がもっと投票しやすくするため、制度を変えたもの。しかし、各自治体の選挙管理委員会が“やる気”を示さなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます」(選挙プランナー)
たとえば、駅に共通投票所が設けられ、朝6時半から期日前投票が出来るのであれば、通勤前のサラリーマンは気軽に投票できるのではないか。しかし、それが行政の勝手な判断によって設置されなかったら、それまでの話だ。
「地元有権者が行政に対して質問や要望を投げかける、それだけで変わる可能性がある。今回の選挙で何も変わっていなかったり、あまり効果がない場所に設置されていたりしたら、行政に直接言ってほしい。そうすることで、仕組みは大きく変わっていきます」(前出・選挙プランナー)
民主主義は、こうした小さなことから一つずつ変えていくもの。政治家や首長への批判や監視の目も当然必要だが、地元行政へのチェックも怠ってはいけないのである。
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