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ファンキー加藤W不倫と子供の運命(下)日米法における不倫の比較

Japan In-depth / 2016年6月10日 7時0分

翻って、民法上は50州すべてで、不倫は違法ではない。夫婦の片方が「結婚は破綻している」と主張すれば、裁判所は必ず離婚を許す。不倫をした者でも、親権や養育費の面で不利になることは一切ない。米国は、安心して不倫ができる「破綻主義」の国なのだ。


ある世論調査では、「不倫をした人が米国大統領になれない」との考えを支持しない人が72%、「会社の最高経営責任者になれない」という考えに反対の人は72%、「米軍の大将になってはならない」という考えを支持しない人は、64%に上った。


こうして刑法上・民法上の不倫に対する制裁が廃止され、偏見も減る一方で、米国内で「不倫は絶対間違いだ」とする人は、1979年の70%から、2013年には80%以上に増えていることが注目される。法的に不倫が許容されるようになって、社会正義が欠如し、人間関係の矛盾が増えたと多くの米国人は見ているのかもしれない。


事実、米国にも不倫に対する社会的制裁が残っている。会社をクビになったり、就業規定の罰則が適用されたり、降格される場合がある。また、兵士・警官・消防士など高い倫理が求められる特定の職種では、基準がより厳しくなる。


いずれにせよ、不倫は、すべての公的な信頼関係の基礎である結婚を、「私的な満足や利益の道具」に奪胎換骨し、信用を悪用することで不正な利得を得ることだ。その一番の被害者は子供である。大人たちは、不倫で翻弄される子供たちの運命に思いを馳せるべきだ。


(「ファンキー加藤W不倫と子供の運命」全2回。「(上)懸念される婚外子の立場」)

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