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Brexitの衝撃 同床異夢だった離脱派

Japan In-depth / 2016年6月27日 18時0分

さらに、これからのBrexitの過程は、どうなるか分からないことが多いだけではない。離脱までは最短でも2年、おそらくはそれよりかなり長い時間がかかりそうだ。したがって、この新しい不安定要因は当面消えないものとして付き合っていかざるを得ない。

その間に、金融市場が例えば円高方向にまた大きく振れて、それが日本経済をなかなか抜け出せない停滞に追い込むというシナリオも考えられなくはない。それを避けるためには、対症療法でマーケットの動揺を慰撫しなくてはいけない。

為替市場への介入は米国通貨当局との関係でハードルが高いかもしれない。いっそうの金融緩和としてのマイナス金利の拡大も日本の金融機関との関係では軽々には採用しづらいかもしれない。しかし、今回のような突発的イベントに対しては、柔軟な思考をもって特段の知恵を絞り出す必要がある。金融政策、財政政策の両面において、アイディアが全く枯渇してしまったわけではないだろう。まだ試されていない策もある。

1989年のベルリンの壁崩壊を契機に、世界経済の新しいうねりが始まった。その中で、市場メカニズムの浸透、経済のグローバル化は、各国の経済運営において、疑いを差し挟まない暗黙の前提となってきたようなところがある。しかし今回のBrexitは、その前提が必ずしも国民のマジョリティに共有されているとは限らないことを示している。

似たようなことは、今進んでいる米国の大統領選挙においても、大陸欧州諸国の諸選挙においても観察できる。市場メカニズムの浸透、経済のグローバル化が国民経済に恩恵をもたらす面があることは明らかだ。しかし、マジョリティが納得できるかたちでそれらを進めて行かないと、その恩恵を大きく放棄しなくてはいけなくなることもあるのである。私達も他山の石とすべきだろう。

 

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