離脱派「迷走」英政界、混乱に拍車
Japan In-depth / 2016年7月5日 11時47分
バイン氏はこのメールの宛先を誤って保守党関係者に送った結果、民放スカイニュースが入手したとしている。しかし偶然流れたにしては英主要メディアに満遍なく渡り、主要各紙が立候補の当日30日付1面で報じており、結果として痛手を受けたジョンソン氏の周辺は「流出を前提に書いて意図的にリークした」と推測する。
◇テレビ報道で出馬知る
そして30日朝、ゴーブ氏は決定打を放つ。午前9時すぎ、メディア各社に電子メールのプレスリリースで出馬を表明。ジョンソン氏陣営はテレビ報道でゴーブ氏立候補という「裏切り」を知った。ゴーブ氏周辺は事前にジョンソン氏に電話で伝えようとしたが、つながらなかったという。ジョンソン氏側は「着信はなかった」と反論。真相は藪の中だ。
ただしジョンソン氏を支えると公言してきたゴーブ氏が「能力不足」を理由に同志ジョンソン氏を切り捨て突然、立候したことは確実で、「ゴーブがボリスを刺してリーダーに挑戦」(サン紙)「保守党・裏切りの一日」(デーリー・メール紙)との解釈が広がる。
ただしジョンソン氏も、盟友だったキャメロン首相が国民投票の実施を発表後、離脱支持に転じており、大衆紙デーリー・ミラーは「英国を裏切った恥ずべき男に判決」と論評している。案の定、ジョンソン氏は4日、与党保守党の党首選で、同じ離脱派のエネルギー閣外相のレッドソム氏を支持するとの声明を発表した。
ジョンソン氏は盟友ながら直前に反旗を翻して自らが出馬して「裏切った」ゴーブ氏については一切言及せず、深い怒りと失望をにじませた。保守党の重鎮によると、党員たちは、離脱派の旗頭、ジョンソン氏の側近を務めながら突如、反旗を翻して自らが出馬したゴーブ氏への反感が広がっているという。
また離脱派として過激な発言を繰り返した英独立党のファラージ党首は4日、党首辞任を表明。英独立党はEU離脱を党是に掲げてきた右派政党。同氏は離脱を勝ち取ったことで目標は達成したと辞任の理由を説明するが、「さんざん離脱を煽っておいて簡単に政治の表舞台から去るのは無責任」との批判が広がる。保守党党首選に立候補しなかったジョンソン氏とともに、離脱派のリーダー格がそろって表舞台を降りた格好だ。離脱派の「迷走」は不安定な政治情勢をさらに複雑にしそうだ。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1バイデン大統領、米大統領選からの撤退を表明 代わりの候補としてハリス副大統領を指名
日テレNEWS NNN / 2024年7月22日 3時30分
-
2党内からの「撤退圧力」強まるバイデン氏、進退の判断にはジル夫人らの意向が影響か
読売新聞 / 2024年7月21日 9時45分
-
3トランプ氏、右耳の傷は幅2センチ=元主治医が明かす
時事通信 / 2024年7月21日 14時26分
-
4《トランプ前大統領銃撃事件で使用》「全米で広く出回る」AR-15ライフル、日本の暴力団が「使わない」理由
NEWSポストセブン / 2024年7月21日 16時15分
-
5「トランプ氏なら終戦可能」 ジョンソン元英首相が寄稿
共同通信 / 2024年7月21日 22時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)