理よりも情で勝った離脱派 EU離脱・英国の未来像その2
Japan In-depth / 2016年7月6日 23時0分
前述の、ロンドンでビジネスを続けている友人は、「東欧からの移民を追い出したくて仕方ないんだろう」と言う。
具体的にはポーランド、ハンガリー、ルーマニアといった諸国からの移民だが、大英帝国の植民地からの移民と違って、ほとんど英語を話せない人が多い。「おまけに教養がないから、病院でも大声で怒鳴り合ったり、そんな連中であふれたおかげで、NHS(National Health Service:英国の無償の医療サービス。全ての公立病院で適用される)なんか6ヶ月待ちになってるし、英語ができない子供たちのせいで学級崩壊が起きたり、昔から地元に住んでいる家の子が、希望の学校に入れなかったり……この国の年寄りはもう、我慢の限界にきてるんだよ」
この話を聞いたのと前後して、橋下徹・元大阪市長が、自身のメールマガジンで、EU離脱派をポピュリズムと批判する傾向に対して、反対意見を開陳した。鳩山元首相が提唱した「東アジア共同体構想」を例に取り、概略以下のように述べる。
「中国人や韓国人が、パスポートなしで日本にやってきて、自分たちの生活習慣を変えぬまま、低賃金の仕事をどんどん日本人から奪って行く、ということになったら、日本人は耐えられないのではないか」
「若い人が将来、東アジア共同体を選択するならそれでもよいが、僕の目の黒いうちは離脱派であり続ける」
ちなみに橋本氏は、この国民投票の前後、英国に滞在して、現地の事情をちゃんと見てきている。なおかつ、ヘイトスピーチを規制する条例をわが国で初めて成立させた政治家でもあり、アジア人一般に偏見を抱いているような人ではないことは明らかだ。
そのことは重々承知の上で、やはり私は、今次の国民投票における離脱派の勝利は、悪質なポピュリズムの結果であったと断じざるを得ない。その理由は、次回詳しく述べさせていただこう。
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