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誰に投票するかは自分に委ねられている 18歳選挙権

Japan In-depth / 2016年7月9日 18時0分

誰に投票するかは自分に委ねられている 18歳選挙権

Japan In-depth 編集部(坪井映里香)


「200万人を選挙に行かせたい。」「世界一民主主義が進んだ国にしたい。」


イベント終了間際、主催のお笑いジャーナリストのたかまつなな氏とNPO法人Rightsの代表理事、高橋亮平氏はそう語っていた。少なくともこのイベントに参加した18歳・19歳の当事者たちは、そんな二人の熱意に心を動かされていた。


7月4日、中央大学で18歳選挙イベント「ぶっちゃけどう選ぶの?~18歳・19歳から始める“損しないため”の選挙」が開催された。このイベントの目的は、「どうやって投票すればいいかわからない」といった18歳・19歳の疑問に答えること。当日は18歳・19歳が中心に集まり、たかまつなな氏と高橋氏を中心に、3部構成で進められた。


1部では、たかまつ氏がなぜ政治に行く必要があるのか?というテーマで講演。民主主義は、みんなで話し合い多数決をするということが前提としてある制度だが、ヒトラーの例にもあるように有権者の判断が重要視される。有権者の行動がカギになる、と訴えた。


また、説明の中にシミュレーションゲームを交えていた。5人の登壇者が18歳高校生、45歳主婦、80歳高齢者など、それぞれ役割を演じ、模擬討議を行い、意見を共有した。そのうえで実際にどの世代の意見が最も尊重されるか、ということを人口×投票率にもとづいたポイントでシミュレーションを行った。


もともとの人口に加え投票率も考えると、若い世代の意見はほとんど反映されないという事実をしってもらうことで、民主主義やシルバーデモクラシーのしくみをゲストの現役女子高生アイドルにわかりやすく説明した上で、たかまつ氏は、「選挙に『行く』という行為だけでも重要」と主張した。


2部では、高橋氏が「ワカモノのミカタ政党はどこだ?」というテーマで、どのように各政党の政策を見ていくのか解説を行った。今回の選挙から争点として上がっている「被選挙権の引き下げ」を具体例にあげ、政策を見るための4つのポイントを上げた。そのポイントとは、



1本当にやる気なのか、といったことを表現や言葉で見極めること


2政党による実現性も加味すること


3今「誰が得をするのか」


4将来をふくめ「誰が得をするのか」判断すること



の4つだ。


高橋氏は「今回の選挙は、政策を読んでみると、今まで以上にどの政党も同じことを言っている。」と指摘。具体的には、同一労働・同一賃金や給付型奨学金といった政策のことだ。だからこそポイント①、つまり、どれくらい意欲があるのか、どれを優先して行いたいのか、といったことを語尾や表現によって見極めることの重要性を説いていた。


3部では、自身の考えがどの政党の誰のそれと近いか、ということを20項目ほどの質問に答えることで導き出す、いわゆるボートマッチを会場全体でやってみたり、参加者やTwitterで出た質問に出演者の二人が答えたりといったことが行われた。


70年ぶりに選挙権年齢が引き下げられ、18歳・19歳が投票することになる初めての国政選挙まで残り数日。こういった選挙に関わるイベントやシンポジウムは各地で開かれていて、テレビや新聞などマスメディアでも多く特集されている。


20歳になったらただハガキが届き、「投票に行って」と投げ出されている世代と比べると今の18歳や19歳は、恵まれた環境にあるのではないだろうか。そういった環境で、どのように自分の選挙権を行使するか。イベント内で示されたのは方法論だけだ。誰に投票をするのかは、それぞれにゆだねられている。


トップ画像:© Japan In-depth 編集部

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