親日国バングラデシュ・テロ 犠牲になった日本人(下)
Japan In-depth / 2016年7月10日 11時0分
いたずらに危険を煽り立てるのではなく、適切なテロ情報や治安情勢の報道を、今後はメディアももっと心掛けるべきだ。ペルーJICA専門家殺害事件は治安情勢の好転の虚を突く形で起きた(「上」参照)が、バングラデシュの事件は私たちに届く治安情報の不十分さの隙を突いたような気がする。
今回あらためて外務省の「海外安全ホームページ・テロ・誘拐情勢」のバングラデシュの項目を読んで、予期した以上にイスラム過激派が跋扈し、外国人やイスラム教に批判的なブロガーを標的とする事件が実は多発していたことを知り、愕然とした。バングラデシュはある意味でテロ情報の死角になっていたと言えるかもしれない。
ホームページの内容を我が事として読めば、バングラデシュの治安情勢がかなり不安定であり、相当注意を要する地域であることが伝わってくる。そして日頃からこのような情報に絶えずアクセスし、リスク意識を高めることが、備えへの第一歩になるのだと思う。テロはまたいつも新たな様相とともに人々を襲うから、備えには不断に取り組むことも大切だ。ひとたび起きれば、テロにより失われるものはあまりにも大きい。
(了。全2回。上もお読みください。)
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