「離脱後のバラ色の未来」は嘘だった EU離脱・英国の未来その3
Japan In-depth / 2016年7月13日 7時0分
後者については、もう一人の旗振り役で、辞任したキャメロン首相の後継者候補と言われてきたボリス・ジョンソン元ロンドン市長が、選挙期間中は、「EUの自由市場へのアクセスは担保しつつ、移民の規制は実現する」などと、まるで魔法が使えるかのような政策をとなえていた。
しかし、二人三脚で保守党党首選を戦うことを期待していた、ゴーブ元司法相が、「彼(ジョンソン氏)にはリーダーシップも政権を担う準備もない」と突き放し、自ら党首選への立候補を表明したことで、戦わずして撤退してしまう。そのゴーブ氏も、下院議員による第一次投票で大敗と、まったくよいところがなかった。
最終的には、キャメロン首相の側近で、残留派であったテリーザ・メイ内相が、離脱派の論客だったアンドレア・レッドサム資源エネルギー副大臣との「女性対決」を制して、新首相になることが決まったが、この話は次回詳しく見る。
とどのつまり離脱派は、EUから離脱することで、どのような外交的・経済的デメリットが生じるのかさえ、まともに検証することもなく、「離脱後のバラ色の未来」を描いて見せたのである。前回、今次の国民投票に対する橋下徹・元大阪市長の見解に対して、私が一定の評価を与えつつも、「やはり離脱派の勝利は、悪質なポピュリズムであったと断じざるを得ない」と結論づけたのは、具体的にはこのことを指している。
離脱後のバラ色の未来は、嘘八百であった。これが選挙結果に反映されたものである以上、安易に信じ込んだ有権者が悪い、では済まされないと私は思うのである。
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