仏ニーステロとトルコクーデター未遂の共通項
Japan In-depth / 2016年7月19日 0時0分
②最近は腐敗と独裁化により民衆の同政権に対する支持が低迷し始めている
③今回のクーデターは旧エスタブリッシュメントと良識からのダークサイドに対する「逆襲」の兆候ではないか
というものだ。
しかし、そのことはエルドアン政権が近く崩壊することを意味しない。見通しはむしろ逆だろう。クーデターが中途半端だったこと自体、トルコ世俗主義に昔のような勢いがないことを示している。今後、エルドアンはクーデターを口実に反対派への締め付けを強めるだろう。今後トルコの「ダークサイド」は一層「覚醒」していくのではないか。
〇欧州・ロシア
18日にケリー長官がEUと英国を訪問する。英国新政権発足後、米国務長官の訪英は初めてとなる。メイ新首相の内閣が対米関係をどう見ているか、興味深い。20日にはギリシャの欧州中央銀行に対する負債23億ユーロの支払い期限が来る。これまではBrexitで大騒ぎしてきたが、ギリシャ問題は先送りしているだけなのか。
〇東アジア・大洋州
20日にベトナム議会がTPPを批准する。21日にはクアラルンプールでマレーシア、インドネシア、フィリピン三国の国防相会合が開かれる。議題は勿論南シナ海問題だろう。先週は中国が7月12日の常設仲裁裁判所の判断に噛みついたが、公の場での宣伝合戦の行方よりも、これら三国がどう動くかの方が遥かに重要だろう。
〇中東・アフリカ
19日に核問題に関するイランとP5+1の会合が開かれる。個人的には、制裁の完全解除に向けた話し合いがどこまで進むかに関心がある。一方、20日にはISとの戦いに関するNATOとGCCの国防大臣会合が米国で開かれる。しかし、最も大事なのは米国のイニシャティブではないのか。今のオバマ政権はどこまでやる気なのか。
〇アメリカ両大陸
18-21日に共和党党大会がクリーブランドで開かれる。混乱がなければ良いが。トランプの副大統領候補マイク・ペンスはちゃきちゃきの保守派だが、この正副大統領候補は水と油で、党の一体感は全く感じられない。文書を読み上げるトランプの演説に魅力はないが、トランスクリプトなしのアドリブ演説では何を言うか今も保証がない。こんな大統領候補を担がなければならない共和党が哀れだ。
〇インド亜大陸
特記事項はない。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
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