次期国連事務総長選始まる その4 次期事務総長に望ましい資質
Japan In-depth / 2016年7月24日 18時1分
東欧以外では、ポルトガル元首相で国連難民高等弁務官経験者のアントニオ・グテレス氏、ニュージーランド元首相で現国連開発計画(UNDP)事務局長のヘレン・クラーク女史と、アルゼンチン外相で元国連事務次長経験者のスザナ・マルコーラ女史である。
最初の仮投票での上位三人、グテレス、トゥルク、ボコヴァは、国連での行政経験があることから、最有力候補となっているが、問題は、ロシアがグテレスやトゥルクを支持するか、また、米国がボコヴァを支持するかである。ロシアは東欧出身を希望しており、グテレスは西欧出身となる。ボコヴァは親ロシアとみられており、現在の米ロ関係からみて、米国が支持しない可能性が強い。トゥルクが妥協の人物として浮上する可能性もあるが、ロシア次第であろう。
日本は前回に引き続き、新たな事務総長を選出する権利を持っている。事務総長選出には非常任理事国も大きな影響を与えるため、日本の選択にも注目される。政治的な要因が強いため、強い指導力を持った候補者が選ばれるのではないとしても、行政能力があり、徐々に強い指導力を発揮できるような資質を持った候補者を選択していくことが大事で、また、日本の国益だけではなく、これからの5年、10年と国際社会をリードし、国際公益に資する人物を選んでいくことが望まれる。
(了。その1、その2、その3。全4回)
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