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改正児童福祉法の示すところを実現するために

Japan In-depth / 2016年8月6日 0時52分

次に官民協議会の加盟団体の5名が登壇し、パネルディスカッションを行った。これからの家庭養育のあり方ということで、当事者たちの実際の声を聞くことができた。キーアセット(注2)の渡邊氏は、家庭養護による質を高め、より機能していくために同じようなNPOが増えるべきだと話した。民間団体が増えることで、ポジティブな部分で切磋琢磨し子供達の利益に繋げていきたいと決意を述べた。

CVV(注3)の中村氏は、自身が施設経験者であり、子供たちの視点から声をあげていこうという思いでこの団体を立ち上げている。今施設で生活している子どもの声をどう聴いていこうか、実践の部分が求められると話す。若者の抱えている問題は深刻で、施設での生活は元より、退所後のケアが重要だと語った。同じくCVVの相馬氏も施設経験者として、幼少期の頃に里親や養子縁組など、選択肢があることを知らなかった、と当事者ならではの意見を訴えた。

それを受けて上鹿渡氏は、子どもの声を何より中心に、多様な選択肢がある、ということを子どもに提示することの重要性を再認識したと話し、この官民協議会の参加団体に当事者が加盟されていて良かったと最後に感想を述べた。

家族と暮らせなくなった多くの子供たちが、安心して暮らすことができる「家庭」という環境を提供することが、子どもの正しい成長につながる。しかし、その家庭養育が進んでいないのが実態だ。改正児童福祉法の精神に則り、あらゆる関係者が連携して家庭擁護を推進することが、日本の社会の未来につながると確信する。

(注1)ハリーポッターの作者JKローリング氏が設立に関わった英国の国際NGO団体。CEOのジョルジェット・ムルヘア氏は元施設スタッフ。

(注2) 子ども中心の里親養育を推進することを目的に活動する特定非営利活動法人。

(注3) CVV(Children's Views & Voice)施設で生活する子どもや、退所した人たちの居場所づくりを支援する団体。

トップ画像:©Japan In-depth 編集部

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