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ビーチバレーは裕福な国のもの? 伊選手ドーピング問題に揺れるバヌアツ

Japan In-depth / 2016年8月13日 18時0分

ビーチバレーは裕福な国のもの? 伊選手ドーピング問題に揺れるバヌアツ

相川梨絵(フリーアナウンサー・バヌアツ共和国親善大使)

「相川梨絵のバヌアツ・ニュース」

前回お伝えした、バヌアツのビーチバレー女子チームですが、その後、新たな展開となりました。

お伝えしたように、今年6月の段階での上位15位でのオリンピック出場はのがしました。その時点でランキングは18位。その後、コンチネンタルカップで善戦し、オリンピック開幕直前の順位は16位でした。

そして、オリンピック開幕を3日後に控えた8月3日(水)、私の元へニュースが飛び込んできました。上位15位でオリンピック出場が決定しているイタリアコンビの一人がドーピング検査で除外されたということです。

これを受けて、VASANOC(バヌアツオリンピック協会)はすぐさま、IOC(国際オリンピック委員会)とFIVB(世界バレーボール団体)にバヌアツの繰り上がり出場を要請しました。バヌアツの主張は、ビーチバレーはチームスポーツ。これまで、ポイントが加算される12試合も、ドーピングの影響がないとは言い切れない。スポーツはフェアーでクリーンでなければならないと。

しかし、IOCは、代替選手とのコンビでイタリアチーム続投という結果を下しました。理由は、「特別な場合と健康上の理由で選手を交換しても良い。」とのこと。しかし、ドーピングは、特例または、健康上の理由なのでしょうか。

VASANOCはすぐさま、CAS(スポーツ仲裁裁判所)にこの事案を提出しました。しかし、CASは「オリンピックはすでに始まっているので、バヌアツチームはもう戦えない。IOCとFIVBには後日文書を書く」とこれを却下しました。

リンリン選手・ミラー選手だけでなく、バヌアツは、この結果に大変失望しています。ビーチバレーが、お金のある国のもののように感じると。

今回のオリンピックでは、ロシアの国ぐるみでのドーピング問題もありました。ICOは、判断を各競技の国際連盟にゆだね、結果200人以上が出場しています。これがバヌアツだったら、同じような結果になるとは到底思えません。それは、国が小さいからでしょうか?お金がないからでしょうか?

スポーツは、クリーンでフェアーであるべき。バヌアツチームは、確かにお金がなく、ここまでの道のりは奇跡のようなものでした。そして、リンリン・ミラーのオリンピック出場はバヌアツの夢でもありました。それが、納得できない形で砕かれてしまったことがとても残念です。小国のバヌアツは、この決断を受け入れるしかありません。

強くなるしかないのです。しかし、彼らは、ここで泣き寝入りはしません。クリーンでフェアーなスポーツを訴え続け、今後、1回りも2回りも強くなることを期待します。

トップ画像:リンリン・マタウアツ(Linline Matauatu)右:ミラー・パタ(Miller Pata) ©FIVB

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