中国の沖縄での秘密工作とは その5 沖縄独立を煽る
Japan In-depth / 2016年8月14日 11時0分
日本も韓国もいうまでもなく、ともにアメリカの同盟国である。アメリカを中心に日韓両国が安保面で緊密な連携を保てば、米軍の抑止力は効果を発揮する。日韓両国が逆に対立し、距離をおいていれば、米軍の効用も減ってしまう。中国にとっては東アジアでの米軍の能力の減殺という目的の下に、日本と韓国との間の摩擦や対立を広げる戦略をも進めてきたというのはごく自然だろう。同報告書は以下の諸点を指摘していた。
「中国は日韓両国間の対立の原因となっている竹島問題に関して同島を軍事占領する韓国の立場を支持して、日本側の領有権主張を『日本の危険なナショナリズムの高揚』などとして非難してきた」
「中国は日韓両国間の慰安婦問題のような第二次大戦にかかわる歴史認識問題に対して韓国側の主張を支持し、日本側の態度を非難する形の言動を示して、日韓間の歴史問題解決を遅らせてきた」
「中国は日本の自衛隊の能力向上や役割拡大への韓国側の懸念に同調を示して、韓国側の対日不信をあおり、アメリカが期待するような米韓両国間の安全保障協力の推進を阻もうとしてきた」
アメリカの議会機関が指摘する中国の日韓離反工作も中国の沖縄への介入と目的を一致させる反日、反米のしたたかな謀略活動だともいえるだろう。日本側としても硬軟両面でのそれ以上にしたたかな反撃が欠かせないであろう。
(了。全5回。その1、その2、その3、その4 も合わせてお読み下さい。本連載は月刊雑誌「正論」2016年9月号からの転載です。)
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