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フィリピン・ドゥテルテ大統領 米政府の懸念を吹き飛ばす人気と支持の理由

Japan In-depth / 2016年8月17日 11時31分

「大統領就任から一カ月でこれだけの麻薬売人や麻薬常習者が捕まったり、自首したり、殺されたりしているのを国民は目で見て分かっている。このまま6年間ドゥテルテ大統領が言っていることをちゃんと実現すれば、フィリピンの治安はよくなり、経済もよくなると思う」(男性、28歳)

このように一般市民の間でのドゥテルテ人気は依然として高く、麻薬犯罪への取り組みが評価されていることがうかがえる。

 

■「一面だけで判断しない」

 こうした声は一般市民だけでない。フィリピンの哲学者アル・クイさんは

「10年前であれば、このような麻薬問題の解決策には賛成しなかっただろう。なぜなら問題の根本への言及が全くないからだ。人々は貧困やその他の深刻な問題から逃れるために麻薬に手を出す。その貧困などの根本問題への解決姿勢が最初に問われるべきと考えるからだ。とはいえ、現在のドゥテルテ大統領の麻薬対策には反対も賛成もしない中立の立場である。物事には必ず正と悪、白と黒というように二面があり、一方だけをみて物事を断ずることは正しくないと考えるからだ。麻薬犯罪に関連した犯罪者が殺されているという一方で、麻薬の犠牲となって死亡する人が多いのも事実。一体誰が正しく、誰が間違っているのか、それは軽々に判断するべきではないと考える」

と筆者の問いにメールで回答。

積極的支持に加えて消極的支持や黙認を含めると相当に幅広い階層でドゥテルテ政権が支持されているのは間違いないといえる。

 

■東南アジア流の人権

 米政府や国際社会が掲げる「人権」や「民主主義」は東南アジアでは往々にしてそのまま受け入れられないことがある。その定義や範囲にはその国や社会がもつ独自の価値観、歴史や宗教などが複雑に絡み合い、錯綜し、独自の「人権」「民主主義」が醸成されている。

ドゥテルテ大統領が進める「麻薬犯罪者の殺害」を人権侵害と軽々に判断してしまうことは、麻薬犯罪に苦しむフィリピン社会で生きる以外に術のない市井の人々の声を無視することにならないだろうか。民主的に実施された選挙で圧倒的支持を得て当選した独立国の大統領、それがドゥテルテ大統領なのだ。

筆者は超法規的殺人を支持するものではないが、少なくともフィリピンの知人の大半が大統領への支持と期待を表明しているという事実の前には謙虚でありたいと考えている。

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