米中戦争は起こりうる その2 どう戦いが始まるのか
Japan In-depth / 2016年8月27日 18時0分
(4)は台湾をめぐる米中両国の年来の対立から起きうる戦争の可能性である。中国は台湾を自国領土とみなし、台湾の独立への動きは武力を使っても阻むと宣言している。アメリカはその宣言に反対し、「台湾関係法」で台湾の安全保障へのアメリカの関与をうたっている。この点に米中衝突の可能性は長年、常に存在してきた。中国側が台湾有事での米側からのパワー・プロジェクション(兵力遠隔投入)を恐れて、新鋭の弾道ミサイルなどによる「接近阻止」や「領域否定」の戦力強化に努めてきたことも周知の事実なのだ。
(5)は南シナ海をも含めての東アジア全域での偶発的な衝突の可能性である。領海ではないが沿岸国の特権が認められる排他的経済水域(EEZ)は国連海洋法では他国の軍事艦艇の通航も認められる。だが中国だけは国内法で自国EEZの外国の軍艦の航行は中国側の事前の許可を必要とするとしている。アメリカなどの諸国は実際には中国のこの主張を無視しているが、紛争の素地は常に存在するわけだ。また公海でもその上空でも米空両国の軍艦や軍用機が異常接近し、あわや事故という事態も頻繁に起きている。そんな事態が米中間の戦争につながる危険があるというわけだ。
ランド研究所の報告書は以上のようなケースを米中戦争勃発の契機としてあげるのだった。
(その1の続き。その3に続く。全5回。毎日18時配信)
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