対北朝鮮宥和政策の幻想捨てよ 東アジア重大な危機
Japan In-depth / 2016年9月14日 18時0分
当面は圧力を基本としてあらゆる方法で金正恩を追い詰めなければならない。金正恩との対話は、彼が非核化について聞く耳を持った時からでも遅くはない。オバマ政権の「非核化を前提とした対話」の方向は間違っていなかった。しかし圧力が弱かった。特に北朝鮮をかばい続ける中国に対する対応で甘さが目立った。対話は圧力とともに外交交渉の両輪だが必ず並行させる必要はない。時には断固とした圧力が対話を引き出す。
北朝鮮核問題の解決法では、過去ヒトラーに対する「宥和政策」失敗の教訓から学ぶべきだ。
1938年9月末の「ミュンヘン会談」で、当時のイギリス首相ネヴィル・チェンバレンは、ヒトラーのチェコスロバキア・ズデ―デン地方帰属要求を受け入れて「ミュンヘン協定」を結び、「血一滴流さず平和を勝ち取った」と大喜びした。だが1年後の1939年9月にはヒトラーのポーランド侵攻が始まり第2次世界大戦へと突入した。そしてホロコーストによるアイシュビッツのユダヤ人大虐殺が行われた。
イギリス首相ウィンストン・チャーチルはこの宥和政策を振り返り、その回顧録で「初期にヒトラーを叩いておけば第2次世界大戦もホロコーストもなかった」と述懐している。
金正恩政権は今水爆搭載弾道ミサイルの完成を目指している。そして米日を排除して韓国を支配するルビコン川を渡ろうとしている。これ以上放置すれば東アジアの平和と安全は重大な危機に直面するだろう。危機回避で残された時間は多くない。
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