潘基文氏は国連で何をしたのか その1 あだ名が「ヌルヌルのウナギ」
Japan In-depth / 2016年9月15日 11時0分
その後はアメリカの韓国大使館勤務や本省米州局長、国連大使などを歴任し、2004年には当時の廬武鉉大統領の外交通商部長官(外務大臣)に任命された。廬氏は親北反米の傾向の政治家で対米関係を悪化させたが、潘氏は苦労しながらも同大統領の対外政策をなんとか完全には破綻させないですませたという評価を得た。
潘氏は若いころからいわゆる努力型の秀才として知られたが、その一方、上司や周囲との調整能力の巧さで「官僚中の官僚」とか「ヌルヌルのウナギ」という呼び名をも得ていたという。
潘氏が国連事務総長となったのは正式には2007年1月である。その一年ほど前に次期の事務総長選挙への立候補を表明した。2006年の当時、事務総長はガーナ人のコフィ―・アナン氏だった。
アナン氏はアメリカで高等教育を受けた後、すぐに国連入りし、一般職員として長年、実績を重ねてきた。だが事務総長になってとくに後半の時期、アメリカ政府の反発を受けるようになった。反米的な言動が目立ってきたうえに、国連のイラク石油プログラムをめぐる汚職事件でアナン氏の息子の容疑までが浮かぶようになったのだ。
このためアメリカの時のブッシュ政権はアメリカとのきずなの強い潘氏を支援するようになった。当時のアメリカの国連大使だったジョン・ボルトン氏は潘氏について「アメリカの政策への理解が深い」という支持理由を何度も語ってきた。
(その2に続く。全5回。毎日午前11時配信予定。この記事は月刊雑誌「月刊HANADA」2016年10月号からの転載です。)
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