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情報公開こそ最良の安全対策 自壊した日本の安全神話その1

Japan In-depth / 2016年9月27日 12時0分

もちろん、移転推進派とされた人たちを含めて、市場関係者の大半もこの事実を知らされていなかったわけだから、彼らに落ち度はない。しかし、東京五輪を控えての、築地ブランドに代わる「豊洲ブランド」がまったく地に墜ちたのは、自業自得だと言うべきではないだろうか。

さらに度し難いのは、もしも小池都知事が当選を果たせなかったら……という問題があることだ。自民党が強く推していた「マスコミ出身者などでなく、官僚出身の実務能力に信頼が置ける知事」であったなら、この問題は移転後かなりの期間、明るみに出なかった可能性すらある。

たまたま市場移転の利権を握っていると噂が絶えない人物と、小池新知事が対立関係にあり、パフォーマンスなどと批判されつつも拙速な移転に待ったがかかり、安全性が検証し直された結果として、今次の問題も浮上したのだから。

これを要するに、行政の不手際による人災、とりわけ風評被害のようなことを防ぐには、情報公開こそ最良の安全対策なのだ。しかしながら目下の日本は、特定秘密保護法の成立など、市民が行政を監視する権利までもが奪われようとしている。

日本の安全神話は崩壊した、という言葉を、幾度聞かされただろう。

私の記憶が確かならば、阪神淡路大震災、そしてオウム真理教による地下鉄サリン事件が立て続けに起きた、1995年あたりから人口に膾炙しはじめたのではないか。

本当のところ、安全神話などというものが存在したとして、それは災害やテロによって崩壊させられたのではなく、自壊したのではないだろうか。今次の盛り土の問題で、私はその思いを一段と強くした。

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