「オクトーバー・サプライズ」はトランプにとって最悪の週? アメリカのリーダーどう決まる? その27
Japan In-depth / 2016年10月5日 11時0分
その3日後の、ニューズウィーク誌のスクープでは、キューバとの国交断絶時代にトランプがリゾート計画の下見などでキューバにお金を落としていたことがバレた。トランプ陣営は「ただの下見でビジネスをしたわけではない」と言い訳したが、取引禁止令を破ったことに変わりはない。
さらに4日後には、ロサンゼルス・タイムズが、トランプが自分の経営するゴルフクラブから「器量が良くない」という理由で何人も女性従業員を解雇しようとしたと報じた。また自分の名前を冠した人気TV番組「ザ・アプレンティス」でも、出演者の女性に対し、自分の娘イヴァンカと比べて器量がどうのこうのと発言していたことがわかっている。
その間にも、これまでずっと保守派メディアとして共和党を支持してきた有力ビジネス紙であるウォール・ストリート・ジャーナルが、今回はクリントン支持を表明。また米国唯一の全国紙であり、これまで一度も特定候補を支持表明してこなかったUSAトゥデイ紙が、「誰に投票しろとは言わないが、トランプはダメ」と初めて「反支持」を打ち出した。(ちなみに、トランプ氏に支持表明した有力紙はまだゼロ)
そして同じ週の金曜日深夜に月曜日のディベート終盤で、クリントンが言及したベネズエラ出身の元ミス・ユニバース、アリシア・メチャドさんへの罵詈雑言の連続ツイート。一国の大統領になろうという人物が夜明け前の時間に、「彼女はデブで困り者」「こいつのセックステープ探してみろ」などと発信。
翌日の土曜日にはニューヨーク・タイムズ紙が匿名の情報漏洩資料により、トランプ夫妻の1985年の州税申告書に9億ドルを超える損失が計上されていたことをスクープした。州税法ではトランプがその後18年間にわたり、一切の州税を支払っていない可能性があることも確認している。
最新のニュースでは、トランプはラリー(Rally:集会)でイラクやアフガニスタンなどの戦地に赴き、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされている元軍人は「弱虫」だったからそうなったと発言して、女性票に続き、軍人票も失いそうな事態を招いている。トランプはどこまで自身の作り出すスパイラルの中で堕ちていくのか。
ここで一旦、10月4日には、副大統領候補同士のディベートが行われる。スポットライトが当たらない束の間、両候補の戦いはまだまだ続く。
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