1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

米ペット霊園にハチ公像登場 不思議な“縁”が紡ぐ物語

Japan In-depth / 2016年10月11日 11時0分

「心が穏やかになる綺麗な場所に誰もがニコッとできる彫刻はぴったり 」と感じたという由美さん。当初、東京大学は、ハチ公と上野教授の銅像は、教授が教えていたキャンパスだけに設置する、東大唯一のものにしたいと考えていたというが、由美さんは夢中になって間を取り持つため奔走。およそ1年かけて実現させた。

銅像は東京大学とまったく同じ複製だが、設置にあたっては建築家が30年代の渋谷をイメージして台座を設計。竹と電灯、線路に囲まれた、まさに駅前で再会を喜び合う上野教授とハチ公が目に浮かぶような風景が演出された。 

除幕式には、在ニューヨーク総領事・大使、高橋礼一郎夫妻も駆けつけた。 大の愛犬家という夫妻。大使は、 フィリピンで飼い始め、ワシントン、そして最後はインドのデリーで17歳で亡くなった愛犬について思いを馳せた。

「柴犬の入った雑種犬で、丈夫な犬でいろんなところに連れて行きました。そしていろんな土地での暮らしの中で、我々の生活に潤いを与えてくれたんです。(犬と人間の絆は)国を超えるものがありますから日米交流が促進されると思います」

国を超える犬と人間の絆。それは除幕式に集まった秋田犬愛好家たちのスピーチからも感じられた。銅像を見ながら涙ぐんでいたのが、秋田犬を専門としたレスキュー団体、Big East Akita Rescueのジョアン・ディモン代表。去年は95匹をレスキューし新しい飼い主を見つけたという、秋田犬の守り神のような女性だ。アメリカで秋田犬のレスキュー団体があること自体驚きだと思ったのだが、現在全米に6つも専門団体があるという。きっかけは、あのハリウッド映画だった。

「あの映画で、秋田犬は新種として人気に火がついて、飼い始める人が続出したの。賢くて、忠実で清潔な犬だけれど、体も大きいし、正しい飼い方ができず手放す人が増えてしまった。飼い主以外の人にはなかなかなつかないから普通のシェルターでは、飼育が難しい。そんな秋田犬がたくさん集まってきて毎日本当に忙しいんだけれど、きょうは本当に感無量です」

会場には彼女がレスキューして、新しい飼い主を見つけた秋田犬たちが多数集まっていた。秋田犬独特のふさふさしたしっぽや、忠実で優しい目が大好きで、今とても幸せだという飼い主たち。中には、自分の飼っている秋田犬を警察に同行する介護犬として、活躍させているという飼い主もいた。秋田犬スパルタカスと飼い主のブラッド・コールさん。幼い子どもたちを含む26人の命が奪われたサンディーフック銃乱射事件やボストン爆破テロ事件では、事件直後、人と話すことができないほど精神的ショックを受けた被害者や関係者たちの元にスパルタカスとともに通った。彼らは、スパルタカスが傍にいるだけで、いやされたと語ったという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください