警察・司法こそ「構造改革」が必要 自壊した日本の安全神話 その10
Japan In-depth / 2016年11月9日 7時0分
これまで日本の警察の優秀さは、交番制度によるところが大きいとされてきた。地域に密着し、かつ警備の拠点が分散していることで、事件への初期対応が非常に早く、きめ細かいという長所は、たしかにあったろう。同様の制度を採用すべく動き出している国も、ひとつやふたつではないと聞く。
さらに言えば、こうした自治体警察と、新たに作られる中央直轄の捜査機関とが相互監視の関係にあることによって、綱紀をより厳正にする効果も期待できるのではないか。意地悪い見方をすれば、縦割り行政の弊害や派閥抗争などもあり得るが、それでもなお、得られるものの方が大きい、と私は考える。
前回、憲法改正を待たずして自衛隊の海外派兵(武力行使を認める以上、これは軍隊としての派兵以外のなにものでもない)の危険性を指摘した。しかし、日本版FBIの創設や、諸外国の警察との連携強化には、こうした問題が存在しない。
国民がより安心して暮らせる社会の実現という観点から、安保法制と警察機構の改革、どちらがより喫緊かつ重要なテーマであったか、自ら明らかではないだろうか。日本の安全神話は自壊した、と認めざるを得ない。しかし、再生の道がないわけでもないと私は思う。機密保持より情報公開。地域コミュニティーへの過信をやめ、司法と警察機構を改革すること。長期戦略の上に立った安全保障政策。
……これらが実現しさえすれば、だが。
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