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目指せアジア人女性の地位確立 女優 倉本暖さん NYの日本人女性シリーズ その1

Japan In-depth / 2016年11月18日 11時0分

◆目指せ!女優

暖さんには、幼いときからある夢があった。「小さい頃から学校で演劇にはまっていて、いつか職業として舞台に立ちたい、女優になりたいと思っていたんです。でも、両親からは反対されていました。特に日本の芸能界をよく知る父からは、演技より可愛さが重視され、プロダクションの力が物を言う日本の芸能界ではやっていけないと諭されました」暖さんの父は日本のバラエティー番組で大活躍する放送作家である。そんな父から反対された暖さんは、アメリカでMBAを取りビジネスの世界でキャリアを積むことを考える。しかし、ボストンの大学から合格通知を受け取ったとき、「今が最後のチャンス」と感じ、急遽経営学から演劇に学部を変更することを両親に宣言した。「両親は私があまりに真剣だったので、ここで今挑戦させないと、後悔することになると思ったみたいで、学部の変更を許可してくれました」。大学では水を得た魚のように、演劇を学んだ暖さんだが…その前には、大きな「人種」の壁がはだかっていた。

◆「アジア人女性の役がない!」

大学で演劇を学び、 女優としての活動を開始しようと思った暖さんだが、 そもそもアジア人女性の役というものが極端に少なく、芸者や愛人のような役しか存在していなかった。「アジア人女性は確かに割合は少ないですけど、確かにここにいるんですよ。それなのに、役がないっておかしいですよね」。実際、全米人口の10%を超すヒスパニック層や黒人層に比べ、アジア系は3%と数は少ないが、ニューヨークやロサンゼルスにアジア人女性はたくさんいる。「黒人女性もヒスパニック系女性もいろんなドラマやバラエティー番組に出ています。白人ばっかりの番組を作っていると、差別だとして大問題になるからです。でも、アジア人はそれほど騒がないから、いつも地味に差別されていて、いつも地味にその事実が無視され続けていると思うんです」

同じアジア系の中でも、インド系の役者たちは今、次々とエンタメ界を席巻しているが、それでも、たくさんの差別に苦しんできたと語るのは、 インド出身の女優として昨年初めてアメリカのテレビドラマシリーズで主役を果たした、プリヤンカ・チョプラである。「スペイン人女優のペネロペ・クルスとか、イタリア人女優のソフィア・ローレンとは誰も言わないでしょ。なぜ私の場合だけ出身国で定義しようとするのかしら?」(INQUISITR)

ヨーロッパの国から来た女優であれば、外国人であることを強調することはあまりないのにも関わらず、アジア人の場合、アジア人という形容詞がいつまでもついてまわるところに現前たるアジア蔑視があるというのだ。

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