トランプ思想の軸は? まだ見えない政治哲学
Japan In-depth / 2016年11月19日 15時39分
■早くも懸念される移行チーム
政権移行チームの責任者にはマイク・ペンス次期副大統領(下院議員6期経験後、インディアナ州知事)が就任、政権の要となる首席補佐官には共和党の穏健派ラインス・プリーバス氏(共和党全国委員会委員長)、そして新たに設けた首席戦略官には右派の参謀役スティーブ・バノン氏(保守系オンラインメディア「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」の会長)を充てると発表した。バノン氏は超右派で移行チームがはたしてうまく機能するか懸念されており、早くも内紛の報道も出ている。トランプ氏は早くもビジネスマンとしての手腕ではなくステーツマンとしての資質が問われている。
■安倍首相は世界の不安を拭えるのか
アメリカが戦後世界のリーダー役を担えたのは、軍事力、経済力が世界一だったからだけではない。アメリカが掲げる思想・価値観(自由、公正、人権尊重、多様な価値の承認、努力すれば報われる社会風土――等々)が、世界から支持されていたからだ。ロシアや中国などが世界の覇権を握るに至らず、崩壊したり、変容したのは、まさに社会主義的な思想、価値観に世界が共鳴しなかったからだろう。その意味でトランプ新大統領がどんな思想で世界を引っ張る基軸となるべき考え方を表明していくかのかが今後の最大の注目点だろう。過激な発言について一部では修正されつつあるが、本心はまだよく見えていない。世界中が1月20日までの人事、その後の所信表明で何を言うかに注目している。トランプ氏の一挙手一投足に、まだまだ大揺れすることだろう。安倍首相は先進国で最初に会う首脳だ。言うべきことは言い、世界のトランプ不安を取り除く責任は重い。
(この記事は日本時間18日、安倍ートランプ会談の内容が出る前に入稿したものです)
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