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フランスで女性医師急増中

Japan In-depth / 2016年11月21日 11時0分

このように働く女性が増えたフランスでは、以前は男性が多いと言われた職種にも女性が多く進出しています。しかも、女性が働くにあたって従来やってきた男性と同様の働き方にこだわることなく、女性のライフスタイルにあった働き方にシフトしていくことで女性に適した職業へと変化しているのです。さらに医師だけに限らず、弁護士、教師などの分野でも、女性の比率が増加し同様の現象が起こっています。

日本では、女性医師の占める割合は17.2%とまだまだ圧倒的に女性が少ないですが、それは、働く時間が長すぎると言うのも原因の一つではないでしょうか?日本では、50時間以上仕事をしている女性医師は、45.4%。男性が長時間働くことが慣習となった日本では、男性の働き方をそのまま女性にも求める傾向にあり、子育てとの両立にとても苦労しています。(注2)

日本の女性は今までは、結婚や出産を期に会社を辞め子育てが落ち着いた時点でまた働きにでるというスタイルで、M字カーブを描きながら「働く、産む、育てる、家事、介護する」と言ういろいろな役割分担をこなしてきました。しかし、現在でも、この従来の役割を続けなければいけないにもかかわらず、さらに「十分な収入、高いキャリア」という「輝く女性」プランが追加されたのです。しかしながらこの全てをこなそうと思うと、男性と同じような働き方をしていては物理的に無理なのは明らかです。なぜなら、一日は24時間しかないのですから。

いずれかの役割の作業を減らさなければすべての条件を満たした「輝く女性」などにはなることはできません。女性が働くためには、家事や子育ての作業量を減らすことも大切ですがそれだけでは不十分。世界的には女性が社会進出している国では少子化が解消されているという統計結果がありますが、ただ単に女性が働いても少子化は解消されるわけではありません。女性が無理なく働ける環境がなければ実現されないことなのです。

そういう観点からも、フランスの医師に女性が多いという現象から見えてくる女性の働き方は、今後、日本で無理なく仕事も子育ても両立しながら働くための大きなヒントにもなりえるではないでしょうか。また、働く時間が長い傾向にある日本の働き方自体にも参考になる点があるのではないかと思うのです。

(注1)Atlas de la démographie médicale 2015
https://www.conseil-national.medecin.fr/node/1607

(注2)日本の医療の中の女性医師支援のあり方
http://www.jsn.or.jp/committeepage/images/east40-01.pdf



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