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家族分断のサンクスギビング どこに向かう?アメリカ その3

Japan In-depth / 2016年11月27日 7時0分

そもそも選挙人制度そのものも元を辿れば、南北戦争で負けた南部の奴隷所有者への「思いやり人事」として、人口が少ない州でも十分に政治に参加してもらおうとの意図で始められたシステムだ。ちなみに南北戦争の混乱が続いていた1876年の大統領選挙では、総格得票数も選挙人数も下回った共和党のラザフォード・ヘイリーが結局大統領の座に着いた。これは奴隷制度を支持する南部の民主党が「大統領なんてどうでもいいからとにかく南部の州議会からヤンキーは出て行け」という条件の元に行われた例外中の例外だ。

現在でも、州議会で多数を獲得する度に共和党はgerrymandering(ゲリマンダリング:注1)という選挙区操作を行い、州レベルでは圧倒的に共和党候補が選ばれやすいようになっている。そしてその州議員数を元に各州の選挙人数が決められているために、総格得票数が少ない共和党大統領候補に有利になる、という仕組みだ。この歪みがトランプ政権を生んだとも言える。

オバマ大統領は任期終了後、全米レベルでこの選挙区改革に乗り出すと言っている。この試みを踏まえた次期民主党委員長選出は荒れ気味になるだろう。

(注1)    ゲリマンダリング(Gerrymandering)

特定の政党や候補者に有利なように選挙区を区割りすること。1812年、米マサチューセッツ州知事エルブリッジ・ゲリー(Elbridge Thomas Gerry)が(Gerry1812年にアメリカのマサチューセッツ州知事ゲリー が行なった選挙区割りが,サラマンダー(salamander:火の中に棲む伝説上のトカゲ) の形に似ていたことから、こう呼ばれるようになった。

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