1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

五輪に年齢制限の何故? 年齢と権利義務の世界事情 その4

Japan In-depth / 2016年12月1日 0時30分

この結果、まず1994年バルセロナ五輪から、プロ選手の出場を認めるようにはなったものの、23歳以下という年齢制限を設けた。その後、いわゆるオーバーエイジ枠が設けられ、3人まで23歳以上の選手の出場を認めている。

他にも、ボクシングは危険を伴うからか、17歳以上34歳以下という制限を設けている。大会・種目を問わず上限があるのは珍しい。

スケート連盟では、スピード・フィギュアともに15歳以上としており、しかも、大会前年の6月30日段階で満15歳以上であること、という細則まである。浅田真央選手が、かつてこの規定に62日間だけ足りなかったために、五輪出場の機会を逃してしまった。その際、あの琴欧洲関が、「14歳が選手としてのピークかも知れないのに、おかしな規定だ」とコメントした。実は彼も、レスリングのブルガリア代表候補でありながら、年齢制限で涙を呑んだ経験があるのだという。

たしかに、14歳で金メダルを獲得した岩崎恭子選手のような例もあるわけで、琴欧洲関のコメントにも一理あると、個人的には思う。

ただ、サッカーに話を戻すと、歴戦のプロ選手ばかりではない方が、色々な国に優勝のチャンスがある分だけ面白い、ということもまた事実なので、微妙なところだとしか言いようがない。

他に、年齢制限にまつわる面白い話はないかと、色々調べてみたところ、昨今話題のキラキラネームにからんで、子供がもし、「こんな名前、嫌だ」と言い張った場合、家庭裁判所においては15歳から自分の意志での改名が認められると知り、ちょっと驚いた。未成年にそんな権利はないだろう、とばかり思っていたのだ。しかし、よく考えてみれば、名前のことでからかわれたりするのは、どちらかと言えば幼少期のことであろうから、これはこれで根拠のある規定なのかも知れない。

刑罰を含め、様々な権利義務が年齢によって区切られているわけだが、とどのつまりは、「どこかで線引きをしなければならないから、適当に区切っている」と言われても仕方ないのが実情で、今後とも、社会の要請にそぐわない年齢制限は、どんどん無くなって行くであろうし、それでよいのだ。五輪憲章からアマチュア規定が外されようが、年齢制限が持ち込まれようが、そのことで我々がなにか不利益を被るわけではないのだから。

(その1、その2、その3も合わせてお読み下さい。)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください