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独で高まる比例代表制批判 世界の選挙事情その4

Japan In-depth / 2016年12月25日 18時0分

私自身、日本で選挙制度改革が論議されていた当時、比例代表制に一定の評価は与えつつも、このような「足切り条項」には断固反対の立場を表明したし、今もその考えは変わらない。比例代表制についてのもうひとつの批判は、昔からよく言われることなのだが、「本当に民意を反映するとは思えない」ということである。

このシステムでは、どの政党も単独過半数を得るのが困難なので、連立政権とならざるを得ず、結果的に少数政党が政策のキャスティングボートを握ることになる。これでは、民意と選挙結果が一致しなくなるではないか、というわけだ。

一見もっともらしいが、現実のドイツの政治状況に照らして考えると、これが本当に選挙制度の問題点と言えるかどうか、疑問だと言わざるを得ない。連立であるがゆえに、与党が圧倒的多数を占める場合が多く、統一後のドイツの内閣は、いずれも長期政権となっている。ナチスを産んだ背景である、政治的混乱の再来だけは御免だというドイツの民意は、この時点で充分、選挙結果に反映されていると評価してよいのである。

繰り返しになるが、比例代表制が抱える問題とは、少数意見が反映されにくい点なので、多様化する一方の社会にあって旧弊が改善されないことだと言える。こうして考えてくると、小選挙区制と比例代表制のどちらがよいか、などという議論自体が不毛なので、あくまでも国情を優先して、「最大多数の最大幸福」を追及する他はない。政治とは本来そうしたものであろう。

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