【大予測:国際政治】「post-truth」の次に来るもの
Japan In-depth / 2016年12月29日 11時47分
ニュースサイトBuzzFeedによると、マケドニアの若者グループは、偽ニュースサイトを多数立ち上げ、トランプに有利な情報を流した。さらにこれらのニュースの特徴は、(いんちきの)統計を多用して、「真実」らしく化粧を施していることだという。
これらの人々は、トランプ支持者ではない。目的は政治ではなく、お金だ。トランプ側に有利なニュースを流したのは、そのほうがfacebookなどのソーシャルメディアに取り上げられやすいからだ。
これはおそらく、トランプ支持者はヒラリー支持者に比べ現実に不満を持ち、「真実」を探し求め、情報をより多く集めようとする人々だからだろう。だが彼らは既存の勢力(メディアであれ、政治家であれ)による説明を信じないため、結果的に「嘘」に惹かれかねない。またPost-truth politicsは、感情の政治でもある。あるいは直感、と言い換えたほうが正しかろう。直感は経験から導かれるものだから本来、案外外れがないはずだが、情報の洪水の中では直感も鈍る。バーチャルと現実が錯綜するインターネット空間ではなおさらだ。情報に疲れた直感は「ひょっとしたら」を信じ、「いいね!」の数を頼りにするようになる。
ならばpost-truthの示す“真の”皮肉は、「真実は二の次」というより、真実(truth)を知ろうとすればするほど、事実(fact)から遠のきかねない、という現実だ。「真実後」の後となる2017年、世界政治はどんな「真実」をあきらかにするのだろうか。
(注1)PolitiFact
事実確認(ファクトチェック)を行う米メディア。政治家の発言の信憑性を監視している。2009年にピューリッツアー賞受賞。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
米大統領選めぐる虚偽情報、今度は左派系が舞台に トランプ氏勝利後
AFPBB News / 2024年11月25日 19時30分
-
「みんなが信じるウソ」が真実になる…「新聞離れ」「テレビ離れ」がもたらした"SNS選挙戦"の憂鬱
プレジデントオンライン / 2024年11月25日 8時15分
-
アメリカの歴史に名を残す「トランプはこの100年で最も力強い政治家に」地滑り的勝利には理由がある
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月18日 17時18分
-
「トランプを支持する保守派は人種差別的だ」という批判は正しいのか? 彼らが大谷翔平のお辞儀を見て「日本の美」を礼賛するワケ
集英社オンライン / 2024年11月5日 11時0分
-
ワシントン・ポストは「確トラ」を認めたか…「お金配りおじさん」イーロン・マスクが支配する米大統領選の結末
プレジデントオンライン / 2024年11月3日 11時15分
ランキング
-
1米海軍哨戒機が台湾海峡飛行、中国軍は「大げさな宣伝」と反発
ロイター / 2024年11月26日 18時33分
-
2政府が政労使会議開催、石破首相「今年の勢いで大幅な賃上げを」
ロイター / 2024年11月26日 13時46分
-
3パキスタン、元首相釈放求めデモ激化=首都に軍配備、衝突で死者も
時事通信 / 2024年11月26日 20時41分
-
4【速報】韓国外務省が「日本が見せた態度」への遺憾を日本大使館に伝える 「佐渡島の金山」の追悼式に不参加
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 15時4分
-
5フィリピン正副大統領、対立激化が「殺し屋依頼」に発展 対米中外交に影響も
産経ニュース / 2024年11月26日 19時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください