1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

朝日新聞と久米宏の天皇発言政治利用 その2

Japan In-depth / 2017年1月2日 18時0分

しかしながら朝日新聞10月17日夕刊の記事に以下のような記述が載った。天皇の8月のご発言には政治的な意図があると勝手に断じる記事を堂々と載せているのだった。

「天皇陛下の『お言葉』は『今の新しい憲法を守ってください』との意味を含んでいる、と」

以上は朝日新聞の菅沼栄一郎記者がテレビ朝日の「報道ステーション」のキャスターを長年、務めた久米宏氏に向かって述べた言葉だった。この日から合計十回の連載として始まったインタビュー記事「人生の贈りもの わたしの半生」の第一回だった。インタビューされる主役は「放送人 久米宏(72)」とされていた。質問役が朝日新聞記者で「報道ステーション」にも出ていた菅沼氏なのである。

このインタビュ―記事は普通に考えれば、そのタイトルどおり、インタビューされる人物の半生をいろいろな角度から紹介することが企図だろう。なにしろ夕刊の第六面の文化面の記事なのだ。取り上げる人物の生き方に文化や芸術という視点から光を当てる人間ドラマの記事であるはずだ。

ところがその冒頭から極端な政治主張が展開されるのだ。このへんは朝日新聞ならではの巧妙らしくみえて実は子供のような独善の素地まるだしの稚拙な手法として映る。

ではその肝要な部分を紹介しよう。

以下は10回にわたるインタビューのほぼ冒頭、最初から2つ目の質問とその答えから始まる。

――(菅沼記者の質問)やはり、戦後、新憲法世代ですね。

久米宏氏「日本国憲法はたぶん、日本が世界に誇れる唯一のものだと思うんです。日本という国があってよかったな、と世界の人が思ってくれる要素は何があるかな、と考えると、ウォークマンは作ったりしたけれど。こういう憲法が先進国の中にあるんだ、っていうのは自慢のタネですよ。せっかくの宝ものをなくすことはないと思う」

――(菅沼記者の質問)先日のラジオで、「生前退位」会見を取り上げました。天皇陛下の「お言葉」は「今の新しい憲法を守ってください」との意味を含んでいる、と。

久米宏氏「『象徴』という言葉を8回も使っていた。天皇が象徴だというのは現憲法で初めて使われた言葉ですから、国民の総意に基づいた象徴であると、なぜ、これほど繰り返したのか。現憲法を尊重しているからだと思う。

『お言葉』が発表されたのが8月8日でした。広島に原爆が落とされた6日と長崎の9日に挟まれた日を選んだのは、平和を守って欲しい、というメッセージではないか。ぼくの勝手な解釈ですよ。私は、天皇制にはやや疑問を持っていますが、天皇と皇后の大ファンであることは間違いない」

まあ以上を読んだだけでも、朝日新聞の記者の側がいかに自己の特定の政治的主張に基づき、久米氏を誘導し、久米氏がそれに乗って、なんの事実の裏づけも論理の一貫性も示さないままに、これまた独善的な政治主張を述べていることがわかる。

(その3に続く。毎日18時配信。全4回。この記事は月刊雑誌「WILL」 「久米宏の『妄言』ダシに 朝日の姑息な『天皇利用』」2017年1月号掲載からの転載です)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください