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朝日新聞と久米宏の天皇発言政治利用 その4

Japan In-depth / 2017年1月4日 18時0分

結果として久米氏は朝日新聞の手の平で“改憲反対踊り”を演じさせられるプロパガンダ・ピエロとなったといえよう。朝日新聞からすれば、自分自身による天皇発言の政治利用という露骨な演出は巧妙に避けて、久米氏にその役割を演じさせたというわけである。


朝日新聞の菅沼記者は同じ連載インタビュー第1回の後半部分で久米氏の言葉として以下の内容をも紹介していた。



「フィリピンなど、かつての戦地にご夫妻で何度もいらっしゃる。あれは明らかに昭和天皇の贖罪の旅だ、と、ずっと思いながら見ていました。皇太子時代の家庭教師だったバイニング夫人は徹底したリベラルな人でしたから。全ての日本人のなかで一番リベラルなのは、いまの天皇だと思っています。国旗国歌問題の時に、『やはり、強制になるということではないことが望ましい』とおっしゃったことがあります」



戦争への贖罪、徹底したリベラル、国旗国歌問題などなど、朝日新聞の政治主張を「皇太子時代からのいまの天皇」のお考えと重ねあわせて正当化しようとする政治言語を久米氏に語らせているのだといえよう。自分たちの政治的見解に都合のよい久米氏の言葉を天皇にまでさかのぼらせて提示するという巧妙な手法である。だが不当な政治宣伝である。久米氏は朝日新聞のそんな政治宣伝にみごとに乗って、操り人形の役割を演じたように映る。


天皇の譲位に関する論議は今後もさらに続くことは確実である。その議論の熱気も具体性もさらに高まることだろう。そうした論議の前進の過程では天皇発言の政治的な利用だけは避けねばならない。そのための自戒は健全な民主主義国家の重要課題の決定では決して欠かせない要素であろう。(了)


(このシリーズ、全4回。その1、その2、その3も合わせてお読みください。この記事は月刊雑誌「WILL」「久米宏の『妄言』ダシに 朝日の姑息な『天皇利用』」2017年1月号掲載からの転載です。)

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