北方領土、元島民訪問手続き改善へ
Japan In-depth / 2017年1月28日 23時0分
「細川珠生のモーニングトーク」2017年1月28日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部
去年12月半ば、プーチン大統領が来日し、安倍総理と会談。北方領土問題や経済協力、そして平和条約の締結へ向けて2日間話し合われた。会談での合意を踏まえ、岸信夫外務副大臣は先日、モスクワを訪問。その岸氏をゲストに迎え、今後の日ロ関係について話を聞いた。
岸氏は訪露について、「日ロ首脳会談のフォローアップ」という位置づけで、「大変中身の濃い訪問をすることができた。」と述べた。岸氏は、ロシアの下院議員の中でも、対日議員グループに所属する17人の議員と議員同士の意見交換やモルグロフ外務次官との会談、また特に、経済分野の協力という分野についてはマントゥロフ産業商務大臣と会談を行い「経済分野でどのような協力関係を推進できるか、率直に意見交換」をしたという。プーチン大統領の訪日の結果を踏まえて今後の日ロ関係の進め方について幅広く協議をしたと述べた。
日ロ関係というのは戦後70年間、平和条約が存在しない状況だった。「それを安倍総理のもとで新しいアプローチでこの問題を解決していこうということ。」と岸氏は述べた。特に北方領土問題を考えると、以前住んでいた元島民にとっては故郷であるのに、「なかなか自由に往来することができない状況」とし、「それを人道的な見地からも早急に解決」していく構えだとした。
また、北方領土においての共同経済活動について、「ロシアはロシアの立場があるし、日本も日本で領土としての立場がある。そういうお互いの立場というものを尊重しながら、どういう枠組みでどういう形でやっていくことができるか。そこの大枠の部分を決めていかないといけない。」と岸氏は述べた。
8項目の経済協力プランについても、それをすべて通して信頼関係を調整していく、と述べると共に「平和条約とはいずれにしても両国の間の信頼関係の上に成り立っていると考えるべきものだから、そうした中から平和条約へと動きを醸成させていくというのが一つ重要なことだと思う。」として、まずは信頼関係を築くことが重要だとの考えを示した。
評価が分かれた先月の日ロ首脳会談だが、岸氏は「実際にそうしたステップ、プロセスが動き出したという意味で大きな一歩だったのではと思う。」と会談の成果を強調した。
細川氏は続けて、アメリカのトランプ氏の就任が日米関係にどう影響してくるかについて聞いた。岸氏は、「日米関係は我が国にとって最も重要な同盟関係であるし、日本外交の基軸という位置づけで今までやってきた。この意味においてアメリカのリーダー、または日本のリーダーが誰に変わろうとこの関係は変わらないと思う。」としたうえで、日米関係が「日本とアメリカが同じ認識に立っていくということが大変重要なこと。」とした。
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