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千代田区長選前夜、小池旋風止まず

Japan In-depth / 2017年2月5日 0時17分

Japan In-depth 編集部(坪井映里香)

東京都議選の前哨戦であり、小池百合子都知事と通称「都議会のドン」内田茂都議の代理戦争とまで言われた東京都千代田区長選は2月4日最終日を迎えた。

街頭演説が許されている午後8時まで各候補は区民に向かって最後の訴えを行った。青がイメージカラーの五十嵐朝青候補は、若さを前面に出し、小走りで街を駆け抜けると石川雅己候補の選挙事務所と道を隔てて反対側に陣取った。支援者とマスコミ以外に立ち止まって聞く人は20名弱。その中で五十嵐候補は「小池都知事は石川候補のことを代理だと言った。それは石川候補を信じてついてきてくれた人たちへの侮辱ともいえるのでは。」と小池都知事と内田都議の代理戦争となっている現状を厳しく批判した。

与謝野信(まこと)候補は自身の選挙事務所前で最後の演説。20名ほどの支援者を前に感謝の辞を繰り返し述べ、声を震わす一幕も。記者から代理戦と呼ばれていることについて聞かれると「相手陣営がそういう形に一生懸命していこうということだったと思う。そのためにある種の偏見というものが生み出されてしまったということは本当に残念。当然、誰の代理になるわけでもない。その一点に尽きる。」と語気を強めた。41歳同士、と若い2人の候補の最後の演説だったが、地元の人がほとんど集まっていないのが印象的だった。

一方、圧倒的な数の聴衆が集まったのが石川雅己候補の演説会場。応援弁士の若狭勝候補が演説を始めるころにはマスコミを除いても300人は優に超える人が集まって熱気に包まれた。若狭議員は「透明性ということで(小池知事と)方向性が一致している。だから小池知事が石川候補のことを信頼できる区長だと自信を持っている。」と述べ、石川候補と小池都知事の共通点をアピールした。

石川候補は、「千代田から素晴らしい町に変えることが、東京大改革の大きなステップになる。」と、小池都知事と改革で歩調を合わせていることをアピールした。

石川候補の演説が終わり、満を持して選挙カーに登壇した小池知事は「石川候補は区長時代、区民ファーストの行政を続けてきた。」と評価すると共に、「(東京大改革を)東京の各所で広めるためには石川候補とともに歩んでいきたい。」と、石川候補への支持を訴えた。他候補に比べ圧倒的な聴衆の数を目の当たりにすると、小池旋風未だ止まず、との感を抱かざるを得ない。

豊洲市場の問題やオリンピックの問題など、就任以降数々の難題に取り組んでいる小池都知事だが、目の前には最大会派である「都議会自民党」が立ちはだかっている。既に3人の都議が離脱しており、今回の千代田区長選で石川候補が圧勝するようだと、7月に行われる都議選を前に、こうした動きが加速する可能性もある。千代田区長選は2月5日投票が行われ、即日開票となる。

トップ画像:©Japan In-depth 編集部

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