朝日新聞「中国軍拡は米のせい」
Japan In-depth / 2017年3月10日 18時0分
本末転倒とはこのことだろう。だが朝日新聞の北京駐在特派員を務める西村記者がそんな基本の事実を知らないはずがない。実態を知りながら、実態と反する虚構の因果関係を堂々と書いているとすれば、もう偽ニュースの範疇である。
南シナ海での米軍の「航行の自由作戦」を中国側の軍拡の理由であるかのように書くのもゆがんだ屁理屈である。南シナ海での中国側の軍事的拡張があったからこそ、オバマ政権はきわめて穏やかな対応策として、この作戦を実施したのだ。中国側の軍拡、国防費の大幅な増額はそのずっと以前にすでに存在した現象なのである。その中国の軍拡へのアメリカ側のささやかな対応を中国の軍拡の原因のように描くことは、子供だましの虚構といえよう。
■事実は逆。中国軍拡が米の軍事動向の原因
「北京の軍事筋」の言葉と称する引用も中国の大軍拡ありき、というこの問題の出発点の事実関係をごまかしたプロパガンダである。「トランプ政権の軍事動向」が中国の軍拡の原因になるという理屈は、まさに事実の反対なのだ。中国の軍拡があまりに激しいために、トランプ政権が新たな「軍事動向」に出ようとするのである。
オバマ政権のこの8年間、アメリカはとくに中国に対して軍事的な攻勢の動きをとることがなかった。東アジアの駐留米軍の規模も減らしてきたのだ。だがその8年間こそ、まさに中国側が南シナ海や東シナ海での軍事攻勢を強めた期間だった。
中国はそのために軍事予算も大幅に増やしてきた。アメリカの中国に対する軍事脅威なるものが最も少なかった期間に中国は軍拡を激しく進めてきたのである。
朝日新聞はこと安全保障問題の報道となると、奇妙なほど中国側の立場に立つ傾向をもう長い年月、示してきた。この報道もそのおかしな、というより、日本国民としては気持ちの悪い、偏向の一端だとみれば、それなりに説明もつくともいえようか。
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