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仏でも深刻、引きこもり問題

Japan In-depth / 2017年3月15日 7時0分

日本とフランスではひきこもりという同じ現象が現れるとしても、文化的背景の違いからそこに至るまでの過程は違うと分析されており、他にも、フランスでは北アフリカからの移民家庭など貧困層の若者が目立ち、薬物やネット依存、人種差別も背景にあることについても述べられています。

 

■原因は日仏、同じ?

フランスのテレビFrance2で紹介されたひきこもりについてのいくつかの番組には、実際、家にひきこもっている状態の若者やその親が出演し、そこに至るまでの過程を語っていますが、一番多かった理由が「他人とのコミュニケーションに問題があった」ことでした。

・引っ越しで新しい学校にいったが、友達ができず勉強をする気もなくなり成績もおちて何もかもが嫌になった

・ある日突然数学のテストで0点を取り、バカにされるのが怖くて学校にいけなくなった

・友達の話しに興味が持てず、自分がしていることをからかわれることに耐えきれなかった

・勉強もでき頭はいいのだが、大学まで行ったけど学校でも友達にうまくなじめず、その後に行われた会社での研修でもうまくなじむことができず、家に閉じこもるようになった。

フランス社会では、日本ほどではないにしろ周りと同じことをすることを求められ、何かあればあからさまにからかわれることが慣習となっており、それはフランスでも現在問題になっているいじめにもつながっていることも事実です。

いじめられた経験から家に閉じこもりがちになるケースも多く、この番組を見ている限りでは、日本で一般的に認識されている家に引きこもる原因のいくつかの例とそう変わりがないのではないかと言う印象を受けます。

 

■必要な社会のサポート

番組では、社会の中に「自分の居場所を確立」することが重要であることを説明していましたが、それができないから悩み、今に至っているわけで、ひきこもり状態の場合、なんらかのサポートが必要なのは日本もフランスも関係なく同じであると言えるのではないでしょうか?

フランスと日本とを比べると、引きこもりになる原因は文化的な面から違う可能性はありますが、ひきこもり状態になると言う結果に至る点では同じだと言えます。いずれにせよ個人それぞれに合わせて解決していくことが必要であり、そのために「まず誰かに相談する」ことが解決への一歩に成りえることも同じであることは間違いありません。

(注1):名古屋大学生相談総合センターの古橋忠晃助教授らによるレポート:「ひきこもり」青年の日仏における共通点と相違点についてhttp://ir.nul.nagoya-u.ac.jp/jspui/bitstream/2237/20206/1/6_No34-1.pdf

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