橋下徹氏、トランプ氏賞賛
Japan In-depth / 2017年3月29日 18時36分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・橋下元大阪市長、DCで演説。
・「民主主義の本質はポピュリズム、トランプ氏批判は不当。」
・米・エリート層を暗に批判した。
前大阪市長の橋下徹氏が3月27日、ワシントンで演説をした。私も聴きにいった。
演説の主要点は日本の大手メディアによりすでに報道された。だがそれら一般報道があまり伝えなかった部分を私なりにとりあげて、報じよう。とくに橋下氏のアメリカの現在の政治状況についての語りのなかで、米側のエリート層らしき階層への辛辣な批判がおもしろかった。
日本維新の会の橋下徹法律政策顧問は、この維新の会の訪米国会議員団に同行する形でワシントンを訪れた。スピーチは3月27日午前、アメリカ側の大手研究機関の戦略国際問題研究所(CSIS)で行われた。
この演説の主題は日米同盟だったが、冒頭で橋下氏は「このCSISはアメリカ側でもエスタブリッシュメント(既成勢力)のエリートが集まる場所と聞いているが、本日はそのエスタブリッシュメントを批判する話になると思うので、申し訳ない」と予告をした。そのうえで結果としてドナルド・トランプ大統領への前向きな言葉を述べたのだった。
橋下氏はポピュリズムという英語の言葉をそのまま使った。日本ではポピュリズムというと「大衆迎合主義」などと訳され、ネガティブな響きが強い。だが原語には必ずしも悪い意味だけでなく、草の根の庶民の感覚や意思の流れが勢いよく政治に反映され、政治家側もその流れを重視するというような傾向を指す場合も多い。橋下氏は明らかにポピュリズムを前向きにとらえていた。
橋下氏の演説でのそうした部分の骨子は次のようだった。
「昨年6月のイギリスのEU(欧州連合)離脱と、11月のアメリカでのトランプ氏の大統領当選とに対し、(世界やアメリカの)エスタブリッシュメントや主要メディアは非常に悪い出来事であるかのように批判するが、一般国民の判断は重要なのだ」
「エスタブリッシュメントにはこれまでの自分たちの考え方がもしかすると誤っているのではないかという反省はないのだろうか。トランプ氏当選などをポピュリズムの悪しき結果のように一蹴することはまちがっている」
「民主主義での国民の多数の意思は最も重要だ。その意味で民主主義の本質はポピュリズムだといえる。ポピュリズムは民主主義であり、独裁専制のシステムよりずっとよいことは明白だ」
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
「ゴア氏は敗北認めた」と称賛 大統領、トランプ氏へ当てこすり
共同通信 / 2024年5月4日 9時50分
-
橋下徹氏 米大統領「日本は外国人嫌い」発言の真意推測「岸田政権にカチンときているところは…」
スポニチアネックス / 2024年5月3日 16時41分
-
国際情勢からの日本の憲法改正の必要性(下)アメリカが切望する日本の改憲
Japan In-depth / 2024年5月1日 17時0分
-
バイデン氏、高齢不安の払拭図る ジョーク交え再選へ決意
共同通信 / 2024年4月28日 17時1分
-
橋下徹「安倍さん不在の日本で2度目の『トランプ政権』と向き合えるリーダーとは」
プレジデントオンライン / 2024年4月12日 9時15分
ランキング
-
1プーチン大統領の就任式、日本は出席せず=林官房長官
ロイター / 2024年5月7日 16時44分
-
2中国軍機、照明弾で豪ヘリ妨害=高度差60メートル、「危険」と抗議
時事通信 / 2024年5月7日 9時36分
-
3プーチン大統領、通算5期目の就任式…6年の任期全うならスターリンに匹敵する統治期間に
読売新聞 / 2024年5月7日 18時48分
-
4イスラエル軍、ラファ検問所のガザ側掌握と発表 支援の重要拠点
ロイター / 2024年5月7日 17時49分
-
5プーチン大統領、5期目就任式 ウクライナ侵攻の正当性強調も…政権運営の不安要素は
日テレNEWS NNN / 2024年5月7日 19時23分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください