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米中首脳会談、「北朝鮮」で進展は?

Japan In-depth / 2017年4月4日 13時16分

現状はあまりに不確実性が高く、今米国が単独行動を取る可能性は低い。それよりも米国にとり今最も大事なことは、米中首脳会談の直前に、「米国が本気で、第二次朝鮮戦争勃発も覚悟の上で、強制力を伴う外交を始めた」と中朝指導者に確信させること。その上で中朝の動きを見るのが米国の目論見だろう。 

THAADが取引材料になる可能性は低い。そんなバーゲンをすれば、米国は日韓の信頼を失う。これはノンスターターだ。南シナ海問題も中国に対するバーターとはならない。南シナ海は朝鮮半島とは別の地政学的、戦略的重要問題であり、普通の政権であれば、北朝鮮問題と同列に扱うという発想にはならない。

尤もトランプ政権は「普通ではない」から、これ以上推測しても意味はないかもしれない。4月中に北朝鮮が新型ミサイル発射や核実験を強行する可能性は高いが、そのタイミングはあくまで核開発計画のスケジュール次第であって、米中首脳会談か、故金日成主席生誕105周年かといってもあまり意味はない。

問題は中国側の反応だが、北朝鮮をバッファ(緩衝地帯)として維持する政策は変わっていない。米中首脳会談では、北朝鮮以外にも、貿易、南シナ海、サイバー、宇宙戦問題、人権など多くの問題が議論されるはず。筆者が習近平国家主席なら、これらを絡めて北朝鮮に対する圧力を最小限にする努力を払う。

 

〇欧州・ロシア

ロシアのサンクトペテルブルク地下鉄車内で3日に爆発が起きた。現時点でロシア政府は少なくとも10人が死亡、50人近くが負傷したと発表したが、プーチン大統領はテロの可能性に言及した。これは決して偶然ではなかろう。やはり、ロシアの対シリア軍事介入のコストは高くついたということだ。

 

〇東アジア・大洋州

3-5日に日本とEUが経済連携協定(EPA)交渉会合を都内で開く。習近平国家主席は5日にフィンランドを公式訪問する。既に述べた通り、6-7日には米中首脳会談がフロリダで行われる。中国の要人の話は概して長いが、果たしてトランプ氏は我慢できるだろうか。彼は正直だから、ちょっとした見物である。

 

〇中東・アフリカ

3日に米エジプト首脳会談がワシントンで開かれる。トランプ政権はオバマ政権とは大きく異なり、エジプト大統領を歓迎し、支持するようだ。米国の中東政策は間違いなく、オバマ時代の前に戻りつつあるのか。それではオバマ大統領の中東政策は一体何だったのか。疑問は尽きない。

ところで、イラクのモスル、シリアのラッカ、これらは一体どうなったのか。一般市民を人質にできる都市に拠点を置いたイスラム国の掃討作戦は予想以上に難しい。というか、民主主義国には難しいだけで、人質もろとも皆殺しにする中東の独裁国家だったら、もっと簡単なのかもしれないが・・・。

 

〇南北アメリカ

米中首脳会談については冒頭書いた通り。それ以外のトランプ政権をめぐる状況は相変わらずだ。支離滅裂というべきか、良く維持しているものだと感心すべきか。筆者は後者である。今のホワイトハウスを批判しても、状況は変わらない。彼らは素人っぽいが、その能力を決して過小評価すべきではない。

 

〇インド亜大陸

9日に豪州の首相がインドを訪問する。オーストラリアは環インド洋地域の国でもあるのだ。

今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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